タイ~バンコク周辺バス日帰り旅~

タイ・バンコクや近県をバス、ソンテオなどの公共交通機関だけで日帰り旅をした様子を綴る旅行記です。
タイ料理屋台から水上マーケット、百年市場、日本の残した足跡まで無鉄砲に飛び回っています。 ※楽天ブログ『タイとタイ語に魅せられて』の1日旅の記事だけを抜粋しました。

幽霊

幽霊寺?ワット・サミアンナーリー カイガタ食べ歩き[3]

Jibtai Cafeでカイガタを食べた後は、
ついでなので横のワット・サミアンナーリーも見ておきましょう。


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大理石でできた大きな本堂が威容を放っています。
が、お堂入口までの床も大理石製。灼熱の日差しに晒されているものだから
アチッ! アチッ! っと飛び跳ねながら歩くことに。

タイの立派なお寺ではよくあることです ^_^;)

内部にはもちろんこちらも立派なご本尊様もあるんですが、
私が興味を持ったのは、


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入口の木彫りの扉に金色の彩色を施す作業風景。
ってことはこの本堂、できたてのホヤホヤなのかな?

そもそもこのお寺の創建は1857年。
王室財産局の書記を務める王族の女性が建てたのだそうです。
で、同じ職位を引き継いだ娘さんもやはりこのお寺の
建設を継続したのでした。

そんなことから元はワット・ケーラーイという名称だったのが1979年に
「女性書記の寺」の意味のワット・サミアンナーリーに改称されました。


さらに境内の奥へと進むと、


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やや古めの仏堂がもう一つ建っています。
ガネーシャ像やラマ5世像のある正面を過ぎて右横へ出ると、


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地下への入口が口を開けて待っているじゃあないですか。
これは下りてみないわけにはいきません。

コンクリート製の階段を下り左に直角に曲がると、


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また階段で少し上に登るようになっていて、


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なんと、仏堂の中を地下から眺められるようになっていたのでありました。
つまり仏堂の中が前部と後部の2つにこの通路で分断されているんです。

なぜこんなことになっているんだろう???
ネットで調べたんですが理由は分からず終いでした。


03_07


奇妙に思いながら、反対側の階段で地上に出ると、
目の前にあった受付台に座るおじさんとおばさんが
「こっちは入口だよ。反対側から出なさい」と。

あちゃー、私は出口から入ったということか。
そそくさと戻って反対側から地上に出たのでした ^_^;)


実はこのお寺、幽霊の噂で有名なんですよ。
私も帰国後に情報を調べていて初めて知ったんですが。

以前からタクシー運転手の間で噂になっていたんだそうです。
深夜に黒い服の2人の女性を乗せて行き先のワット・サミアンナーリー
着くと2人とも車内から忽然と姿を消したというもので…。

最近もこんな話が出回りました。

ある若い男性が盛り場で飲んだ後、夜中の3時頃にラチャダー通りを
車で走っていると、黒い服を着た2人の女性が手を振るのが見えました。

タクシーを呼んでいるのかとバックミラーを見ても他に走っている車はいません。
2人とも美人だったので下心もあって乗せてあげることに。
どこに行きたいのか尋ねると、ワット・サミアンナーリーとのこと。

一人が助手席、もう一人が後部座席に座りますが、
男性が色々と話を振っても悲しげな顔をしたままで
話に乗ってくれません。

ああ、きっとワット・サミアンナーリーへ親類の葬儀の手伝いに
行くんだな、と思った男性は気を遣って話しかけるのをやめました。

そうするうちに車は国鉄の線路を渡ってワット・サミアンナーリーの
目の前まで来ました。右折しようと右へ顔を向けながら
「どの辺で降りますか?」と尋ね、女性のほうを振り返ると、
そこに2人の姿はなかったのです。

仰天した男性が車を止めて降り、辺りを見回すと…

国鉄の線路上に上半身だけの姿の2人が。
這いながらこちらに向かってくるではないですか!

男性が次に気が付いたのは、病院のベッドの上でした。
どうやら気絶していたようです。

…とのこと。
男性は嘘ではないとラジオに出演して語ったのだそうですよ。


どうもワット・サミアンナーリー前の線路で葬式に向かう途中の
女性2人の乗ったバイクが列車に衝突し、2人とも轢死して
成仏できずに化けて出るという噂が随分前からあるようで…。


きっとその現場であろう遮断器もない踏切を渡って


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高速道路が上を走るウィパワディーランシット通りに出ます。

今日ラストのカイガタが食べられる店に向かいますよ~。


03_09

歩道橋で反対側に渡り、やってきた29番バスに乗車。
時刻は、14:38。

これでセントラル・ラートプラオまで行きます。
次の店はラートプラオ通り沿いにあるので、
そこでバスを乗り換えようと。


03_10


で、降ろされたのはセントラル・ラートプラオのずーっと手前 -_-;)
時刻は14:43。

屋根付きの歩道から駐車場入口の横を通り、
6分歩いてようやくセントラルの正面に出ました。

パホンヨーティン通り側の歩道橋に上り、


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ユニオンモール前の階段を下りてバス停で待つと、


03_12


すぐに191番バスがやって来ました。
よくわからないけどまあいいや。乗っちゃえ!

座席に着いてふうっと一息。

が、バスは非情にも左折してラートプラオ通りに入らず、
ぐるっと右旋回してなんとさっき来たウィパワディーランシット通りを
北上し始めるじゃないですか!

そっちじゃなーーーい (T_T)




<旅費交通費>
29番バス:13バーツ
191番バス:6.5バーツ
ここまでの合計:87.5バーツ

※旅は2016年5月23日(月)に行いました。

<参考>
ธรรมะไทย "วัดเสมียนนารี"
TNEWS "โคตรช็อก!! ชายหนุ่มเล่าเรื่องเจอผีผู้หญิงในตำนาน หน้าวัดเสมียนนารี",2016年7月23日付
pantip.com "ใครมีข้อมูล ผีสาวผู้หญิงชุดดำที่วัดเสมียนนารี บ้างครับ"

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく

ワットサミアンナーリー

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ナーク廟 オンヌット通りからの旅[3]

ワット・マハーブット境内奥にある、ナーク廟の横に辿りつきました。


03_01


廟の外側にも祀られているんですね。

ここの表記は「プラカノンのナーク母さん廟」になってます。
周囲にはタイ衣装、人形、綺麗な飾り付けなどのお供えがどっさりと。


ところで「ナーク」って誰?とお思いの方もいると思うので
簡単に説明をしてみます。

昔、プラカノンの運河沿いに夫マークと妻ナークの夫婦が住んでいました。
マークは政府に徴兵されて身重のナークを残し戦地へ赴きます。

戦場で負傷しバンコクの寺で療養を終えたマークが帰ってくると、
ナークは赤子を抱えて家の前の船着場で待っていました。

しかし、そのナーク母子は幽霊だったのです。
出産時に母子ともに命を落としていました。

ナークが幽霊である事実をマークに伝えようとした村人は
次々にナークに呪い殺されてしまいます。

が、ナークが床下に落ちたライムを、ろくろっ首の首よろしく
手をにゅる~と伸ばして取ったのを偶然目撃したマークは、
ようやくナークが幽霊であることに気付き、
このワット・マハーブットに逃げ込みます。

結局、僧侶または祈祷師によってナークは成仏されて、
あるいは壺に閉じ込められて一件落着というお話です。

ナークは、タイ人がおそらくもっとも怖がっている幽霊ですね。


では、正面に回ってみましょう。


03_02


お供え物の豊富さと対照的に、
建物自体は意外と質素。


03_03


中央には、また祭壇が。
ここで手を合わせている人も多いです。

ナークの話は、「ナーン・ナーク」(Mrs.ナーク)や
「メー・ナーク」(ナーク母さん)のタイトルで1936年以来
実に30作品近く映画化されてきました。

色んな顔があるのは、その時々の主演女優の顔ということかな。

かつては単なるホラーやコメディ映画だったのが、
1999年の『ナーン・ナーク』では夫婦愛とタイの伝統を精緻に描き
大ヒットを記録しました。
私も当時映画館で観てボロ泣きした記憶が ^_^;)

実はタイ映画は衰退の一途だったのですが、
この映画のヒットでV字回復を見せたんですよ。


さて、いよいよ中へ。 と思ったら、


03_04


「中に入っての写真・ビデオ撮影禁止」

とのこと。ありゃー、残念。

ここの表記は「ナーク婆さん廟」。
こっちが正式名称のようです。

「参拝時間07:30~17:30。
 宝くじ当選番号発表日前日は終夜開放。」

なんじゃそりゃ!
願掛け客の大半は、宝くじ当選祈願なのか?
てっきり恋愛成就祈願なのかと -_-;)

「ナーク婆さんへの願掛け、または願掛け成就のお供えは、
 事前に係員に申し出てください。」

成就のお供えは、置く場所を空けたりという手間があるから分かるけど、
願掛け時にも申し出なければならない理由がナゾですね。


ということで、中では写真撮影禁止ですが、
反対解釈で外からならOKでしょう。


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外から内部をカメラで狙うと、左手にはこんなブースが。

参拝客は、願掛け(「ボン」といいます)の際に、
もし願いがかなったらお礼にこれこれの品をお供えします
(「ゲーボン」といいます)と祈願するんです。

で、ここは成就した際のお供え品の販売所のようで。

タイ衣装各種、子供服、布地、タイ式家屋のミニチュア、
化粧品(えっ?)、アクセサリー等々…。

でももっとも高いタイ衣装でも200バーツというのは、
良心的なお値段ですよね。


そして中央には、


03_06


人だかりが。

この後入ってわかったんですが、あの一角は、
まるで人の家の部屋みたいな造りになっているんです。

その壁際の檀上に、金色の顔に黒髪のナーク像が祀られていました。
50cmぐらいの高さでしょうか。

周囲にはゲーボンの品が所狭しと置かれていて、
その前で多くの女性が手を合わせていました。


でもナークの伝説って、当初のストーリーは
今とずいぶん違っていたようなんです。

ナークについて書かれたもっとも古い1899年の文献によるとこうでした。

ラマ3世期(1824-51年)、バンコクのプラカノン運河河口に
郡長の娘ナークと王族劇団の団員チュムの夫婦が住んでいたものの、
ナークは難産の末死亡し、遺体がワット・マハーブットに埋葬されます。

息子達は、父チュムが再婚して父からの遺産取り分が減ることを心配。
そこで息子の一人が母の姿に扮装して一帯の村人たちを脅かし再婚を阻止。
しかしこの息子はのちにワット・ポーの便所で首吊り自殺をしたというものでした。

20世紀に入ると話がどんどん脚色され、1930年代の新聞連載小説では、
ほぼ現在のストーリーになっているのだそうです。

実話を元にした怪談ということでは、
お岩さんみたいな感じなのかもしれませんね。


さすがに入口からでは、ナークご本尊像を狙えませんでしたが、
左手お供え物販売所の看板に写真があったので掲載しておきます。


03_12


黒髪にとても違和感があるのですが、1999年版『ナーン・ナーク』では、
ナークが髪に櫛を通す度に髪が抜けていくのを悲しむシーンが
あるんですよ。それでなんでしょうね。


最近では2013年の映画『ピーマーク..プラカノン
(邦題『愛しのゴースト』)があります。
一見コメディ仕立てなのですが、これまた夫婦愛を描き、
かつ後味の良いエンディングであることもあり、空前の大ヒット。

今でもタイ映画史上興行収入No.1の座をぶっちぎりで守っています。
やはり、ナークのご利益は絶大ということなんでしょうかね。


ご利益といえば、こんなこともありました。

その『ピーマーク..プラカノン』でマークを演じた俳優マリオ
今年2015年4月、軍から徴兵くじ引きへの招集がかかったのです。

地区で招集を受けた180人中、徴兵されるのは21人。
順にくじを引き、マリオの2人前の段階で赤札(当たり)は残り4本。

そしてマリオの番
引いたのは「黒札」、つまり徴兵を免れたのでした。

くじ引きで招集された場所は、オンヌット・ソイ67。
オンヌット通りとプラカノン運河の間というのも奇妙な偶然。

この報道を受けて、宝くじ当選祈願にくる人が
倍増しているんじゃないでしょうか? ^^


…という、人も恐れるご利益絶大なナーク廟なのでありました。




<旅費交通費>
歩いただけなので:0バーツ
ここまでの合計:7バーツ

※旅は2014年10月19日(日)に行いました。

<参考>
「タイの映画(第19回)ノンシー・ニミブット監督とその作品(2)
 -怪奇映画の新しい伝統-」宇戸清治, 『タイ国情報』2013年1月号,
 日本タイ協会,2013年
Wikipedia "รายชื่อภาพยนตร์ไทยที่ทำเงินสูงสุดในประเทศไทย"

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく

ワットマハーブット

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