タイ~バンコク周辺バス日帰り旅~

タイ・バンコクや近県をバス、ソンテオなどの公共交通機関だけで日帰り旅をした様子を綴る旅行記です。
タイ料理屋台から水上マーケット、百年市場、日本の残した足跡まで無鉄砲に飛び回っています。 ※楽天ブログ『タイとタイ語に魅せられて』の1日旅の記事だけを抜粋しました。

国鉄西線

カンチャナブリーの奥へ[1]

旧泰緬鉄道、現国鉄西線(ナムトック線)に乗車した
遅ればせながらの泰緬鉄道」の旅を3月31日にした翌日、
私は再びカンチャナブリーへ向かったのでした。

旅の目的は、引き続き泰麺鉄道関係の史跡を訪れつつ、
カンチャナブリー県北西部までも足を延ばしてみること。

さすがに日帰りは無理そう。
最低でも1泊、長くて2泊の予定です。


2014年4月1日(火)早朝、今回も戦勝記念塔へ。

前回と同じ北西ゾーンのカンチャナブリー行きロッ・トゥー乗り場へ行くと、
「次の便は7時半発」とのこと。

1時間近く待つのは勿体無いので、違う業者の便を探すことに。

Century The Movie Plaza
へ向かって歩いていると
その手前にロッ・トゥーのターミナルを発見。

こんなところにもあったんだ。知らなかった。


01_01


グーグル・マップのストリートビューで見ると屋根が無いけど、ここのはず。

右側のチケット売り場の列にはカンチャナブリー行きが無し。
もっと奥の右側の建物内に入ると、


01_02


あった。台の上にカンチャナブリーと書いてあります。

無愛想なおばさんに尋ねると次の便は7時発とのこと。
運賃120バーツを払うと、「今いた男性について行きな」と。


01_03


あ、この車ね。

15分ほど待って06:59出発。

車中で爆睡していると時間のたつのも早く、わりとあっという間という感じで
カンチャナブリー・バスターミナルに到着です。

時刻は、09:36。

さーて、次の交通手段はというと…。

前日3月31日、ここから戦勝記念塔までのロッ・トゥーに乗る際に
チケット売り場の人にサンクラブリー行きロッ・トゥー乗り場の
場所を聞いておいたんですよ。

「バスターミナル裏の白い建物です」とのことでしたが…。


01_04


きっと向こうに見えているあのビルの一角ですね。
歩いていくと、


01_05


トーンパープーム-サンクラブリー-チェーディー国境 と。

これだこれだ! (ストリートビューで場所を示しておきます。)

建物内の受付で尋ねると「乗れますけど混んでいるので4便あとですよ」との返答。
ぐえっ。

「バスで行ったほうが速いと思いますよ」

分かりました。そうします。 トホホ。

確かに受付前には大きなズタ袋を引きずったどう見てもタイ人ではない男性達が
大勢たむろしていて、さながら難民キャンプの様相。
みんなタイへ商品の買い付けに来たミャンマー人なんでしょうね。

バスで行くのは時間がかかるから避けたかったんですが、仕方がありません。
バスターミナルに戻り探すと、これのようです。


01_06


サンクラブリー行き。

この時期にエアコン無しで長時間はキツそうだなぁ -_-;)
時刻は9:45。

バス前で呼び込みをしている運転手さんに出発時刻を尋ねると10:20とのこと。
じゃぁ、近くで朝食を取って来ることにしましょう。

周辺の商店街を歩くと、


01_07


    トンベープ(ร้านต้นแบบ)
カオマンガイ-カオムーデーン-カオカームー
      一皿10バーツ

という気になる看板が目に留まりました。

いくら地方都市とはいえ、今どき10バーツでなんてやっていけるんだろうか?
好奇心に押されて入ってみることに。(ストリートビュー

まず並んで料理を受け取り、その場で10バーツ支払い。
スープはセルフサービスでした。


01_08


本当に10バーツでしたよ。


01_09


しかも25バーツのカオマンガイとあまり遜色ない盛り付けじゃないですか。
味はさすがにそれなりでしたが、決して美味しくなくはないです。

安いだけあって店内はかなりの混み具合。
回転率で稼いでいるんですね。

脅威の価格破壊カオマンガイをさっと胃袋に掻き込み、
サンクラブリー行きバスに戻ります。

食事をしている間に9割がた座席が埋まってしまっていました。
でもなんとか席を確保。

運転手さんの言っていた定刻よりわずかに早く10:18に出発。


01_10


国鉄西線(ナムトック線)から東にずっと離れた国道323号線を
のんびり走っていきます。片側2車線で綺麗に整備されていますね。

沿道に咲き乱れる黄色いゴールデンシャワー(ラーチャプルック)が綺麗です。

30分ほどで片側1車線に。

耳を澄まして車内で交わされている会話を聞いてみると、
ミャンマー語なのかモン語なのか、はたまたカレン語なのか、
タイ語とは異なる言語がほとんどなことに気付きました。

タイにいながらタイじゃない雰囲気です ^_^;)


走り出して1時間14分後、


01_11


国鉄西線終点ナムトック駅へと入る路地の前で停車。
こりゃ分かりにくいですなー。

ん、待てよ。ということは間もなく土日・祝日運行の特別列車のみ停車の
ナムトック・サイヨークノーイ駅前も通過するのか。

駅の先に静態保存されているC56蒸気機関車も見えるはず!


カメラを構えて待ちます。

道路脇に多くの車が駐車しているのが見え始めました。
進行方向左手には土産物店らしき商店街も。ここがそうだな。

右手の中腹に目を凝らします。

あ、見えた! 蒸気機関車だ!

シャッターを押したその瞬間、


01_12


あ゛ーっ!! 観光バスが~!! (T_T)

あのクソ観光バスの向こう側にC56はあるんですよ。なんてこった。
しばらく立ち直れなかった私でした。

時刻は、11:39。

悔しいのでストリートビューを貼っておきます。
「702」という数字が見えるのが日本製蒸気機関車C56です。




<旅費交通費>
ロッ・トゥー:120バーツ
バス:70バーツ
ここまでの合計:190バーツ

※旅は2014年4月1日(火)に行いました。

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


ナムトックサイヨークノーイ駅

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折り返してカンチャナブリー駅へ 遅ればせながらの泰緬鉄道[8]

終点ナムトック駅から折り返して旧泰緬鉄道、
現国鉄西線(ナムトック線)を戻ります。

当然のことながら来た時と車窓の景色は同じでして。
そんなワケでしつこいようですが、
タム・クラセー桟道橋の景色を再びお届けします ^_^;)


08_01


時刻は14:56。 ナムトック駅を出発してから41分後に桟道橋に突入です。


08_02


後ろも振り返りつつ…。


08_03


The Suan Saiyok Adventure & Historikal resort

綺麗な芝生が目に飛び込んできます。

普通の客室の他にいかだの部屋もあるんですね。
冷房、LEDテレビ完備とのことで驚きです。

でもトイレは地上まで上がらないといけないようですが。
それからさらに1時間ほど西日を浴びながら揺られると…


08_04


ようやくクウェー川鉄橋を渡ります!
戦時中、日本軍はメクロン永久橋と呼んでいたようですね。

みなさんは『ボギー大佐』っていう行進曲をきっとご存知かと思います。
「サル、ゴリラ、チンパンジー♪」っていう替え歌のほうが有名かもしれませんが(笑)

あの『ボギー大佐』(Colonel Bogey March)は、
この橋を一躍有名にした映画『戦場にかける橋』の主題曲なんですよ。

そのクウェー川鉄橋を渡り終えると、


08_05


行きに列車に乗車したクウェー・ヤイ橋駅に停車。
時刻は16:35。

発車した列車は、私がカンチャナブリー駅から乗ったソンテオを
降りた地点に差し掛かります。


08_06


鉄道員さんが手押しの踏切で道路を遮断して、
列車運転手に緑の手旗で合図を送っているのが見えました。

右カーブを抜け直線の線路をしばらく走ると、


08_07


列車はカンチャナブリー駅に滑り込みました。

降りる準備をして出口へと。


08_09


ここで下車する人って結構いるんですねー。
16:43下車。


08_08


逆にここから乗車する人も沢山いまして。
大きな荷物を抱えた人が多いので、バンコクへ戻る観光客かな?

しかし時刻表どおりだとカンチャナブリー駅14:48発のはず。
2時間遅れだから、終点トンブリー駅着は19:40頃でしょうね。

私はさすがに列車に座っているのに飽きたので、
変化をつけるためにも、ここからバスターミナルへ向かうことにします。

結果的にはどっちのほうが速くバンコクに着くのかな。




<旅費交通費>
列車に乗っていただけなので:0バーツ
ここまでの合計:355バーツ

※旅は2014年3月31日(月)に行いました。

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく 


カンチャナブリー


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終点ナムトック駅 遅ればせながらの泰緬鉄道[7]

14:05、どうやら終点ナムトック駅に到着したようです。
周りのタイ人団体さんも席を立ち始めましたし。

私も降りましょう。


07_01


間違いない。ナムトック駅ですね。

クウェー川鉄橋手前のクウェー・ヤイ橋駅を11:39に出発したので、
2時間26分かかったのか。正直言ってそろそろ飽き始めていた頃でした ^_^;)

しかも定時だと12:35着なので1時間30分の遅延。
これで平常運行なんでしょうね…。


線路の先を見に行きますか。


07_02


戦後、泰緬鉄道を接収した連合軍(英軍)は
タイ政府にタイ国内の路線部分を売却します。
 
ビルマ側路線はというと、ビルマ国内の他路線復旧のため
さっさと線路が撤去されてしまいました。

国際鉄道網として機能しなくなった上、
カンチャナブリー以西は人家も滅多にないジャングル。

さらに路盤の状態が悪く一般営業運行には改修が必要なことから、
改修可能で沿線開発に意義のあるここナムトックまでを残すことになったのです。

改修工事が行われ、1949年にノーンプラードゥックカンチャナブリー間が、
1952年にワンポーまで、1958年にナムトックまでが開通したのです。


ところで…。

あれ? 蒸気機関車が静態保存されてるんじゃなかったっけ?
駅員さんに聞いてみるとしますか。


07_03


乗って来た列車は、機関車が早々に離れてカンチャナブリー側先頭に連結。
 
本来なら発車まで20分の余裕があるんですが、
遅延しているのですぐ発車しそうな雰囲気です。


07_04


急いで駅舎へ向かいます。

そうそう、タイ人団体さんは下車するやこの左手駐車場に待ち構えていた
大型観光バスに乗り込んでさっさと消えて行きました。


駅員さんを見つけて尋ねてみました。蒸気機関車はどこにあるのでしょうか?
するとニコニコしながら、


「蒸気機関車は…、バンコクにあります。」


ポカーン・・・


そんなワケないでしょー。この辺にもあるはずなんですが、おかしいなぁ。
でもこの駅員さんは本当に知らないようなのでこれ以上聞いても無駄 -_-;)


ちゃんと下調べして来なかった私が悪いんですが、
帰ってから調べたところ、蒸気機関車はこのまだ先にあるんですね。

駅名版にもありました。


07_05


左は、

スットプラーイターン(สุดปลายทาง)、「終点」ってな意味です。
英語表記だとここと同じNAM TOKになってますけど。

1.394km先に通称「ナムトック・サイヨークノーイ」(サイヨークノーイ滝)
という駅があって(比較的最近延伸した模様)、
そこにC56蒸気機関車が静態保存されているんだそうです。

ではそのナムトック・サイヨークノーイ駅にはどうやって行くの?ってことですが、
土日・祝日のみ運行されている観光列車だけが、そこまで乗り入れているようで。

カンチャナブリー駅にあった時刻表で説明すると、


01_09


一番下の
909列車:
バンコク(フアランポーン)06:30発→ナムトック11:30着
910列車:ナムトック14:25発→バンコク(フアランポーン)19:25着
がそれです。

タイ国鉄ウェブサイトにこの列車の詳細が掲載されています(英語)。
途中途中で観光をしながらのツアーみたいな列車なんですね。

しかし朝早い出発の上に半日以上とは、ヘトヘトになりそうです ^_^;)


というワケで今回私はナムトック・サイヨークノーイ駅で蒸気機関車を
見ることができないまま、乗って来た列車で折り返して帰ることにします。


07_06


ディーゼル機関車が警笛を鳴らしたので、慌てて列車に乗り込みます。
ホームからカーン、カーンという鐘の音が聞こえてナムトック駅発車。

時刻は14:15。


すぐに車掌さんがやって来ました。


07_07


手書きの切符。
帰りはカンチャナブリー駅まで乗ろうと思います。
運賃は同額の100バーツ。

ちなみに写り込んでいるのは飲み物売りのおばちゃん。
コーラを買いました。


それと弁当車内販売のおじさんからは、


07_08


玉子焼きのせご飯+パット・ガパオ(挽肉バジル炒め)の弁当を。

遅めのランチです ^^




<旅費交通費>
列車運賃:100バーツ
ここまでの合計:355バーツ

※旅は2014年3月31日(月)に行いました。

<参考> 
『王国の鉄路-タイ鉄道の歴史』柿崎一郎、京都大学学術出版会、2010年

つづく


カンチャナブリー

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映画『レイルウェイ』&終点へ向けて 遅ればせながらの泰緬鉄道[6]

旧泰緬鉄道の現国鉄西線(ナムトック線)について旅行記を
書いているこのタイミングで、泰緬鉄道と関係のある豪・英合作映画
レイルウェイ 運命の旅路』がちょうど公開とのこと。

これも何かの縁、私は公開初日の4月19日(土)に早速観てきました。

ネタバレの無いように慎重に感想を述べさせていただきますと、
生き残った捕虜も、捕虜を酷使した側の日本兵も戦後
ずっと苦しんできたことに気付かされる映画です。

その苦しみはあの時あの場にいた人にしか理解できないんでしょう。
でもこの映画は、泰緬鉄道を取り上げた既存の他の何よりも
その苦しみの理解へと私たちを近づけてくれると思います。

泰緬鉄道建設現場や捕虜拷問の描写は、日本軍の野蛮さを
殊更に誇張するわけでもなく、間違いなくこういう状況だったのだろうと
納得のいくものなので、そういう意味では日本人が観ても不快な思いを
することは無いのではないかと。

映画での描写にしても実際の永瀬隆氏との対面にしても、
制作国がイギリス・オーストラリアで捕虜がイギリス人であったからこそ
こういう映画、こういう結末になったんでしょう。
 
今のご時世、文明国・大人の対応に学ぶべきことは多いと思います。

結末のお陰か、重いテーマにも関わらず観終えてずっしりと気が重くなるなんて
ことはありませんでした。タイ好きのみなさんなら観て損の無い映画ですよ。


ちなみにシンガポールからタイへの捕虜輸送列車を牽引する機関車として
登場するC56 15号機は、トンブリー機関区で動態保存されているものです。

この日記にも登場しています。


06_11


というワケで、映画によってまた見方の変わった旧泰緬鉄道
国鉄西線(ナムトック線)の旅へと戻ることにします ^^

タム・クラセー停留所を出発した列車は10分足らずで次の駅に停車。

 
06_01


ワンポー駅(วังโพ)です。
時刻は、13:29。

戦時中は、三角方向転換線、機関庫、給水塔がある重要な駅だったようです。
戦後すぐの1945年9月時点で毎日上下1列車ずつ運行されていましたが、
いずれもこのワンポー駅で一晩停車して翌朝先へ進んでいたんだとか。


06_02


この待避線は、当時の名残なんでしょうね。

戦後も1946年10月に引き揚げるまで、泰緬鉄道に従事する日本兵が
9千人近く残っていました。ここワンポーにも385人が残留していたんだとか。


ワンポー駅を出発すると、車窓は険しい景色に。


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ジャングルですよ、もう。


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眼下には蛇行するクウェー・ノーイ川が見えます。


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おっと、短い切り通しが再び出現です。
そして通過。


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手を伸ばせば、間違いなく届きます…。


ふとクウェー・ノーイ川対岸の山に目をやると、


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立派な寺院の姿が。
あんなところによく建てたもんですね。


しばらくすると、また平原の風景に。


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日本のよりも赤々とした色の赤土の畑が続きます。


06_08


そして林の中をのんびり抜けて山へと向かっていくと、


06_09


ん? 待避線に列車が。

車内アナウンスなんて無いので自分で判断するしかないのですが、
どうやら終点ナムトック駅に到着したようですよ。

時刻は、14:05。




<旅費交通費>
列車に乗っていただけなので:0バーツ
ここまでの合計:255バーツ

※旅は2014年3月31日(月)に行いました。

<参考>

つづく
 

カンチャナブリー

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