※はじめにお断りしておきます。
今回の記事は、あくまでフィクションです。登場する人物は実在しません。
創作のストーリーとしてお読みください。
スリー・パゴダ・パス目抜き通りの坂から一本脇道に入ったところにある
ソンテオ乗り場に到着。
ここからはサンクラブリー行きのみが出ています。
「乗って待ってて」
運転手さんらしき男性に声をかけられましたが、
しばし周囲の写真撮影を ^_^;)
ソンテオの先の今にも崩れそうな木造小屋は、
売店兼待合所兼運転手詰所のようですね。
男性が数人ベンチでまったりしているのが見えます。運転手でしょう。
撮るものが無くなったのでソンテオに乗りこんで待つことに。
進行方向右側のベンチシートの一番前に腰かけます。
するとものの3分で発車。
時刻は、14:33。
のろのろと走り出したところで赤ちゃんを抱えた若い女性が
運転手に声をかけて停めました。何か相談している様子。
私は車窓を眺めます。
覚えている方はいますでしょうか?
この左手の建物は、4月に訪れた際に見た「土禁のスーパー」なんです(笑)
写真だと見づらいですが、今回も階段の上にサンダルが散らかっています。
そしてこの道の先はもう、ミャンマーなんですよねー。
そんなことを思いつつ、正面へ向き直すと、
さっき運転手さんと話し込んでいたあの女性が私の真正面に座って
私に微笑みかけているではないですか!
わぁっ、ビックリしたなもう。
「タイ人ですか?」
いえ、日本人です。観光で来たんです。
「なんでタイ語が話せるんですか?」
ああ、以前バンコクでタイ語を習ったことがあるんですよ。
…とお決まりの会話が続きます ^_^;)
歳の頃は22~3ぐらいでしょうか。ほっそりしていてなかなかの美人。
タイ系のタイ人ではなさそうですが、ネイティブなタイ語です。
若いのに赤ちゃんもいて立派だなぁと感じることよりも何よりも
もっとも印象的なのが、眼力の強さ。
人と折衝する商売でも営んでいるのかな?
失礼な言い方ですけど、こんなど田舎のうら若き女性には不釣り合い。
危険な匂いを感じざるを得ない目つきの持ち主です。
でも笑顔は可愛いんですよ。
だから思い過ごしかな ^_^;)
表通りへ出て坂を登っていきます。
スリー・パゴダ・パスよ、さようなら~。
4,5分もすると人家のまったくない景色に。
沿道の林から鈴の音みたいな蝉の鳴き声が聞こえてきます。
日本にはいない種類かな。
目の前の女性が、助手席の男性に何か叫びました。
するとソンテオはスピードを落とすではないですか。
友達を拾うのかな?
女性はしきりに携帯で電話をしていますが相手に通じないようです。
10分ほど走ると検問が現れました。
時刻は、14:53。
女性が係官と親しげに話しています。
「日本人なんだって」
「友達ですか?」と係官。
いえいえ、違います ^_^;)
「パスポート」
あ、はい。これです。
「タイ語話せるの?」「タイには長くいるの?」
となんだか疑われているような質問が。
コラ~、ネエちゃん。あんたが親しげにするせいだぞ(笑)
なんとか無事に検問を通過できました。
走り出したソンテオはなおもスピードを抑えめ。
カーブの坂を下っていた時です。
ネエちゃんが助手席に向かって何か叫びました。
するとソンテオが停車するではないですか。
その途端、大勢の人が物凄い勢いで乗り込んで来ました。
まさに「突進」という感じで駆け込み、先頭の男性が私に体当たりして
椅子に崩れ込み、安堵の表情を浮かべました。
ソンテオは急発進。もう普通のスピードです。
何が起こったのか理解できず、あっけにとられる私。
ネエちゃんの隣にピッタリくっついて座った色白の若い女性が
ネエちゃんに二言三言話しかけています。
すると、他の数人も同様に。
でも共通して親しげではなく、仏頂面で。
むむむ。
乗り込んできたのは、20~40代の男女6,7人。
私に体当たりした揚句まだピッタリ密着している男性は20代後半。
こんな暑いのに薄手のダウンジャケットを着ている不自然さ。
額には汗をビッショリかいているじゃないですか。
向かいの席の女性を見ると、ジーンズに雑草の種が付いています。
そんな私の目の動きを察したのか、ネエちゃんが笑顔で話しかけてきました。
「今日はサンクラブリーで泊まるんですか?」
そうですよ。ところで、みんなは友達ですか?
そう尋ねた途端、笑顔が消え目を逸らして黙ってしまいました。
なるほどね。全てが理解できたぞ。
この連中は、道なき道を歩いてきたのか。あちらから。
どうりでネエちゃんの目ヂカラが強いワケだ。
すると15:01、また検問で停車するではないですか!
おいおい、大丈夫なのか!?
観察していると、とっさに100バーツ札を握りしめた人が。
連れていかれる人と乗ったままでOKの人がいるのが不思議。
どんな基準なんでしょう?
いずれにしても連れて行かれた人も間もなく無事に戻って来たのでした。
いったいどうなってるんだーーー!!
ほっとした半面、説明のつかない割り切れなさも感じたり。
ソンテオがサンクラブリーの町に近付くと、
ネエちゃんはおもむろに紙幣を数枚グシャっと握りしめ外に手を伸ばし、
素知らぬ顔をして助手席の男性に窓から手渡そうとしています。
でも、助手席の男性はまったく気付かず(笑)
サンクラブリーは、国道323号線から南へ並行して真っ直ぐ伸びた2本の道路に
囲まれた地域が市街地になっています。
そのうちの東の道路、サンクラブリー通り入口でソンテオは停車。
ここでネエちゃんの指示で御一行様下車です。
ネエちゃんはというと、一瞬ニコっと私に微笑んでから後について下車。
降りてきた助手席の男性に紙幣を手渡しています。
500バーツ札があるのがチラっと見えましたが、総額いくらかは定かでないです。
ここはタイと言えど、住民の多くはモン族も含めてミャンマー人。
官民問わず同胞同士で助け合って生きているのかもしれないな。
再び走り出したソンテオは、西の道路シースワンキーリー通りに入って
すぐにあるサンクラブリー・バスターミナルで停車。終点です。
時刻は、15:18。
運賃30バーツ也。
運転手さんに手渡します。
国境のありのままの姿を垣間見たような45分の旅でした。
サンクラブリー・バスターミナルを後にしましょう。
<旅費交通費>
ソンテオ:30バーツ
ここまでの合計:359バーツ
※旅は2014年5月12日(月)に行いました。
※今回の記事は、あくまでもフィクションです。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)
つづく
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今回の記事は、あくまでフィクションです。登場する人物は実在しません。
創作のストーリーとしてお読みください。
スリー・パゴダ・パス目抜き通りの坂から一本脇道に入ったところにある
ソンテオ乗り場に到着。
ここからはサンクラブリー行きのみが出ています。
「乗って待ってて」
運転手さんらしき男性に声をかけられましたが、
しばし周囲の写真撮影を ^_^;)
ソンテオの先の今にも崩れそうな木造小屋は、
売店兼待合所兼運転手詰所のようですね。
男性が数人ベンチでまったりしているのが見えます。運転手でしょう。
撮るものが無くなったのでソンテオに乗りこんで待つことに。
進行方向右側のベンチシートの一番前に腰かけます。
するとものの3分で発車。
時刻は、14:33。
のろのろと走り出したところで赤ちゃんを抱えた若い女性が
運転手に声をかけて停めました。何か相談している様子。
私は車窓を眺めます。
覚えている方はいますでしょうか?
この左手の建物は、4月に訪れた際に見た「土禁のスーパー」なんです(笑)
写真だと見づらいですが、今回も階段の上にサンダルが散らかっています。
そしてこの道の先はもう、ミャンマーなんですよねー。
そんなことを思いつつ、正面へ向き直すと、
さっき運転手さんと話し込んでいたあの女性が私の真正面に座って
私に微笑みかけているではないですか!
わぁっ、ビックリしたなもう。
「タイ人ですか?」
いえ、日本人です。観光で来たんです。
「なんでタイ語が話せるんですか?」
ああ、以前バンコクでタイ語を習ったことがあるんですよ。
…とお決まりの会話が続きます ^_^;)
歳の頃は22~3ぐらいでしょうか。ほっそりしていてなかなかの美人。
タイ系のタイ人ではなさそうですが、ネイティブなタイ語です。
若いのに赤ちゃんもいて立派だなぁと感じることよりも何よりも
もっとも印象的なのが、眼力の強さ。
人と折衝する商売でも営んでいるのかな?
失礼な言い方ですけど、こんなど田舎のうら若き女性には不釣り合い。
危険な匂いを感じざるを得ない目つきの持ち主です。
でも笑顔は可愛いんですよ。
だから思い過ごしかな ^_^;)
表通りへ出て坂を登っていきます。
スリー・パゴダ・パスよ、さようなら~。
4,5分もすると人家のまったくない景色に。
沿道の林から鈴の音みたいな蝉の鳴き声が聞こえてきます。
日本にはいない種類かな。
目の前の女性が、助手席の男性に何か叫びました。
するとソンテオはスピードを落とすではないですか。
友達を拾うのかな?
女性はしきりに携帯で電話をしていますが相手に通じないようです。
10分ほど走ると検問が現れました。
時刻は、14:53。
女性が係官と親しげに話しています。
「日本人なんだって」
「友達ですか?」と係官。
いえいえ、違います ^_^;)
「パスポート」
あ、はい。これです。
「タイ語話せるの?」「タイには長くいるの?」
となんだか疑われているような質問が。
コラ~、ネエちゃん。あんたが親しげにするせいだぞ(笑)
なんとか無事に検問を通過できました。
走り出したソンテオはなおもスピードを抑えめ。
カーブの坂を下っていた時です。
ネエちゃんが助手席に向かって何か叫びました。
するとソンテオが停車するではないですか。
その途端、大勢の人が物凄い勢いで乗り込んで来ました。
まさに「突進」という感じで駆け込み、先頭の男性が私に体当たりして
椅子に崩れ込み、安堵の表情を浮かべました。
ソンテオは急発進。もう普通のスピードです。
何が起こったのか理解できず、あっけにとられる私。
ネエちゃんの隣にピッタリくっついて座った色白の若い女性が
ネエちゃんに二言三言話しかけています。
すると、他の数人も同様に。
でも共通して親しげではなく、仏頂面で。
むむむ。
乗り込んできたのは、20~40代の男女6,7人。
私に体当たりした揚句まだピッタリ密着している男性は20代後半。
こんな暑いのに薄手のダウンジャケットを着ている不自然さ。
額には汗をビッショリかいているじゃないですか。
向かいの席の女性を見ると、ジーンズに雑草の種が付いています。
そんな私の目の動きを察したのか、ネエちゃんが笑顔で話しかけてきました。
「今日はサンクラブリーで泊まるんですか?」
そうですよ。ところで、みんなは友達ですか?
そう尋ねた途端、笑顔が消え目を逸らして黙ってしまいました。
なるほどね。全てが理解できたぞ。
この連中は、道なき道を歩いてきたのか。あちらから。
どうりでネエちゃんの目ヂカラが強いワケだ。
すると15:01、また検問で停車するではないですか!
おいおい、大丈夫なのか!?
観察していると、とっさに100バーツ札を握りしめた人が。
連れていかれる人と乗ったままでOKの人がいるのが不思議。
どんな基準なんでしょう?
いずれにしても連れて行かれた人も間もなく無事に戻って来たのでした。
いったいどうなってるんだーーー!!
ほっとした半面、説明のつかない割り切れなさも感じたり。
ソンテオがサンクラブリーの町に近付くと、
ネエちゃんはおもむろに紙幣を数枚グシャっと握りしめ外に手を伸ばし、
素知らぬ顔をして助手席の男性に窓から手渡そうとしています。
でも、助手席の男性はまったく気付かず(笑)
サンクラブリーは、国道323号線から南へ並行して真っ直ぐ伸びた2本の道路に
囲まれた地域が市街地になっています。
そのうちの東の道路、サンクラブリー通り入口でソンテオは停車。
ここでネエちゃんの指示で御一行様下車です。
ネエちゃんはというと、一瞬ニコっと私に微笑んでから後について下車。
降りてきた助手席の男性に紙幣を手渡しています。
500バーツ札があるのがチラっと見えましたが、総額いくらかは定かでないです。
ここはタイと言えど、住民の多くはモン族も含めてミャンマー人。
官民問わず同胞同士で助け合って生きているのかもしれないな。
再び走り出したソンテオは、西の道路シースワンキーリー通りに入って
すぐにあるサンクラブリー・バスターミナルで停車。終点です。
時刻は、15:18。
運賃30バーツ也。
運転手さんに手渡します。
国境のありのままの姿を垣間見たような45分の旅でした。
サンクラブリー・バスターミナルを後にしましょう。
<旅費交通費>
ソンテオ:30バーツ
ここまでの合計:359バーツ
※旅は2014年5月12日(月)に行いました。
※今回の記事は、あくまでもフィクションです。
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