タイ~バンコク周辺バス日帰り旅~

タイ・バンコクや近県をバス、ソンテオなどの公共交通機関だけで日帰り旅をした様子を綴る旅行記です。
タイ料理屋台から水上マーケット、百年市場、日本の残した足跡まで無鉄砲に飛び回っています。 ※楽天ブログ『タイとタイ語に魅せられて』の1日旅の記事だけを抜粋しました。

ノーンプラードゥック駅

国鉄スパンブリー線と西回り帰路の旅[1]

バンコク周辺のバス日帰り旅を続けてきたこのシリーズですが、
今回大きく足を踏み出し、初めて1泊旅行をしてみることにしました。

というのも今回の目的を達成するには、
どうしても1泊する必要があるからなのです。


その目的とは、国鉄スパンブリー線に乗ること!


バンコク発 16:40 → スパンブリー着 20:15
スパンブリー発 04:20 →バンコク着 08:05

この1日1往復しか無い路線として有名ですよね。

スパンブリーからなら早朝に出てその日のうちに往復して帰れるんですが、
バンコクからだとどちらの便に乗るにしてもスパンブリーで1泊せざるを
得ないんです。



旅の決行日は2013年12月25日(水)。
なにもクリスマスの日に行かなくてもと我ながら思いますが(笑)


のんきに構えてフアランポーン駅までバスでのんびり向かっていたら、
パヤタイ通りのチュラロンコン大学前辺りで渋滞につかまりヤバイ状態。

意を決してチュラ大法学部向かいのバス停で降り、
待機していたバイクタクシーに跨ります。

裏道をくねくねと飛ばしてくれてフアランポーン駅着。
間に合うか!?

切符売り場へダッシュし「スパンブリーに行きます」と。
32バーツ也。

「すぐに乗ってください」
売り場係員に腕時計を指差しながら言われました。

時、すでに16:34。


うひゃー、あと6分!


速攻で売店でパンを買い、11番線へ。


01_01


間に合ったー!!


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3両編成の先頭車両に乗り込みます。

フアランポーン駅16:40発。
スパンブリー駅20:04着。

あれ? スパンブリー着時刻が少し早くなってる。


列車は少し遅れて16:45に発車。
本当に乗り遅れていたらシャレになりませんでしたよ ^_^;)

ホームを出てすぐの左手には…


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以前、「フアランポーン駅の蒸気機関車」で書いた
日本製C56蒸気機関車タイ国鉄発祥記念碑

…と一人淋しく弁当をつつくおじさんの姿が(笑)


車内は乗車率6割といったところでしょうか。
思ったより混んでますね。


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そんな車内に夕日が差し込んでいます。

すぐに検札がやって来ました。


ちょうど帰宅ラッシュの時間帯。
途中駅でどんどん乗車して来て、立つ人が出るほどに。

それでも大勢の乗客がサーラーヤー駅で下車し、
さらにこの駅でガラガラになりました…。



01_05


ナコーンパトム駅18:20着。
時刻表ではここを18:07発のはずなんですが、すでにもう遅れてますね(笑)

しばらく停車してから「カーン、カーン」という鐘の音で発車。
18:30。


そして列車はいよいよノーンプラードゥック駅に到着。
「ラーチャブリーへの旅」で訪れた、日本軍が泰緬鉄道の起点として
1942年に設けた駅です。

ノーンプラードゥック駅は泰緬鉄道…現国鉄西線(ナムトック線)のみならず、
これから走るスパンブリー線の起点でもあるんです。


01_06


ノーンプラドゥック駅を発車しました。
時刻は18:46。

席を移動して進行方向左側の窓から顔を出します。


01_07


分岐しましたー!

左が国鉄南線バーンポーン方面。
列車が入線したのがスパンブリー線です! やっと乗れてちょっと感動(笑)


01_08


先頭車両には私を含めて3人だけ。
おばさんが窓のアルミ製日除けを下ろして回っています。
常連客な雰囲気 ^^

若い兄ちゃんの車掌がどこで降りるのか一人一人聞いて回っています。

この時のタイはとても涼しかったんですが、
外が真っ暗になり一層寒さが増して半袖ではもう無理!

たまらず万一のために持参した長袖に着替えました。


01_09


車窓は茂みの中を突っ走っているような感じ。

窓ガラスにピシッピシッっと小枝が当たります。

そのうちバキバキッという音が混じったりも(笑)


国道346号線を渡ってすぐに初めて停車。


01_10


暗闇の中、蛍光灯が灯る駅舎は、トゥンブア駅

正確には駅より格下の「停留所」です。

ここの北東側にカセサート大学カンペンセーン・キャンパスがあるんですが、
通学にスパンブリー線を使う学生は皆無でしょうね ^_^;)

トゥンブア駅では2人ほど降りたようです。

ちなみにノーンプラードゥック駅からここまでの間に3駅あるはずなんですが、
降りる人がいないから停車しなかったのかな? まるでバスみたいですね(笑)


暗闇の中を疾走しながら何駅かに停まっているうちに、
ドアが開いたまま走り出しました。オイオイ、寒いぞ。
っていうか・・・


01_11


もちろん踏切の無い道路もそのまま通過。
危ないじゃないかー!(笑)


車窓に人家の灯火が多少増えてきました。
そろそろスパンブリーかな、と思っていると運転席のドアが開いて
さっきの車掌さんがツカツカと一直線に私のところへ。

スパンブリーですか? マーライメーンですか?」と。

そうなんです。時刻表上の終着駅はスパンブリー駅ですが、
実はさらに北へ2.5kmのマーライメーン駅 (มาลัยแมน) が真の終着駅なんです。

マーライメーンです、と答えます。


で、ついに


01_12


スパンブリー駅着。5,6人が降りたでしょうか。
時刻は20:39。


さぁ、次がいよいよ真の終着駅、マーライメーンです!





<交通費>
国鉄:32バーツ
ここまでの合計:32バーツ

※旅は2013年12月25日(水)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく


スパンブリー線

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ノーンプラードゥック駅 ラーチャブリーへの旅[3]

降り立ったのは、ノーンプラードゥック駅。
今回の旅の最初の目的地です。


03_01


正式名は、ノーンプラードゥック分岐点
英語でも「NONG PLADUK JUNCTION」と書かれています。


ノーンプラードゥック駅、と言われてもピンと来ないかもしれませんね。

旧日本軍が建設した鉄道はご存知かと思います。
その始発駅が、ここなのです。


03_02


ノーンプラードゥック駅自体も日本軍が新たに設置した駅。
日本軍の手でこの駅に鉄道の0キロ・ポストが打ち込まれたのが
1942年7月5日ですので、その前に駅は開業していたんでしょうね。


鉄道の開通は翌43年10月25日でした。

戦後の1963年6月にはこの駅を起点とするスパンブリー線も運行を開始したので、
現在では、鉄道の一部を引き継いだ西線(ナムトック線)とスパンブリー線
2路線の起点駅になっています。


03_03


それを示す看板も駅ホームに立っていました。


さーて、線路北側に建つ駅舎を抜けて外に出てみると・・・


03_04


見事になんにもなーい!


事前に知ってたとは言え、残念感満点なのは否めません ^_^;)

駅前には小さなよろず屋が一軒。
あとは民家が数軒立ち並ぶのみです。

少し歩いたところから駅舎を望むと、


03_05


中央から左に見えるクリーム色の建物が駅舎なんですが、
大木数本の緑に覆われて、知らなければここに駅があるなんて気付かないほど。


日本軍がいた当時はこちら側ではなく、線路の南側のやや西寄りに
日本軍の兵舎と捕虜収容施設が立ち並んでいたようです。

鉄道-機密文書が明かすアジア太平洋戦争-』吉川利治著、同文舘、1994年
に当時のノーンプラードゥック駅周辺を撮影した航空写真(英軍撮影?)が
掲載されています。

それとグーグルマップの航空写真を比較してみると、当時の日本軍施設は
跡かたも無く消え、現在では田んぼになっているのが分かります(矢印の一帯)。


施設の姿は完全に無くなっていますが、日本軍の残した物は
ほんの僅かながら駅近くに残っているようで。

ノーンプラードゥック駅前に住む、当時日本軍施設で働いていたタイ人のインタビュー記事
(タイ語)によれば、日の丸の国旗が残っているみたいですね。
あと他のサイトで見たんですが、この方の家には他にも
日本語の書かれたコンクリート柱片も残っているようです。

この方の話によればノーンプラードゥックの日本軍施設は連合国軍機の爆撃に
何度も遭ったもののほとんど命中しなかったんだとか。

でも一度、待避線に停められた貨車を病院として使用していたところに
爆弾が命中して多くの看護婦が亡くなったそうです…。


私は日本軍の面影を残す物に触れることはできませんでしたが、
ここに来たということだけで、もう十分。


さて、何も無いところに長居するのもなんなので、先に進みましょう。
次に来る列車は、恐らく間もなく到着の西線ナムトック行きなのですが、
私は南線バーンポーン方面へ行きたいんですよね。

そうすると、次の列車は11:05。
ただ待って時間を潰すんなら歩いちゃえ(笑)

線路に並行して伸びる道をひたすら西へと歩くことに。


03_06


ゴールデン・シャワーの並木がなんとも綺麗!

などと感動していたら、道はこの先未舗装に…。


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このはるか先まで埃っぽい道が続く光景に、早々とウンザリしてしまいました。
強烈な日差しが刺さる首の後ろがヒリヒリしますし。


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なんだこの木の折れ方は? 強い嵐でも来たんですかね。
殺伐とした風景に花を添えています -_-;)






<交通費>
歩いただけなので:0バーツ
ここまでの合計:43.5バーツ

※シリラート病院―トンブリー駅のソンテオ運賃は7バーツだと
 バンコクバスマニアさんから教えていただきました。ありがとうございました。
 訂正した金額で合計交通費を計算し直してあります。

※旅は2013年4月30日(火)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく


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トンブリー発ランスアン行き255列車 ラーチャブリーへの旅[2]

シリラート病院の裏から乗ったソンテオは右折して
国鉄トンブリー駅前にそのまま横付けして停車。

これは便利だ~。

時刻は06:52。
あっという間の到着です。

で、バタバタしていて私はうっかり運賃をメモるのを忘れてしまいました。
6バーツか8バーツだったような。取り敢えず6バーツにしておきます。
不確かでスミマセン m(_ _)m


ちょっと後ずさって駅を撮影…。


02_01


トンブリー駅はターミナル駅だというのに、なんというシンプルさ。


さて、切符を買わねば。


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売り場で行き先を告げて購入。14バーツ也。
07:30発ランスアン行き255普通列車に乗ります ^^


発車までどうしてようかなと思った矢先、駅アナウンスが。
ランスアン行きは2番線から。今から乗車できます、と。

それを聞くやいなや、


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みんなワラワラと乗り込んで行きます。
あ、私も乗ろう!

座席を確保して一息つきながら、切符をまじまじと眺めます。


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ちょっと味気無いですよね。
タイの鉄道で硬券って無いのかな。


で、ボーッとしていると07:10頃にいきなりガシャン!という音とともに衝撃が。
機関車が連結されたようですね。あー、ビックリした。

どうせだから見に行ってみますか。


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なんだかワクワクしてきました!(笑)


座席に戻ると発車前から物売りが車内を行ったり来たり。
「カーフェー、オーワンティーン~」(コーヒー、Ovaltine)
「ムーヤーン、ムートート、カーオニァオカァ~」(焼き豚、豚揚げ、もち米です)

朝食取ったばかりだからなぁ ^_^;)


カン~カン~という鐘の音とともに列車は定刻どおりに発車。
国鉄南線を西へと走っていきます。


途中、この駅にも停車。


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以前の旅で訪れたワット・ンギウラーイ駅です。

昔この裏手のターチーン川船着き場からスパンブリーと結ぶ定期船が出ていた頃は
そこそこ賑わいのある駅だったようで。

今でも思ったよりここからの乗客っているんですね。


ワット・ンギウラーイ駅を発車すると、ソンテオが並走する姿が。


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あーっ、JESADA TECHNIK MUSEUM まで乗ったソンテオじゃないですか~!

たまたま乗り合わせたおばさんに色々と教えてもらった記憶が蘇ります ^_^;)


ターチーン川を渡ってしばらくすると大きめの駅に到着。


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ナコーンパトム駅です。

ナコーンパトムの街は、以前の旅でどういうわけか居心地良く感じたんですよね。
きっとまたふらっと訪ねに来ると思います。


…なんだか今までの旅を回想する旅と化してますね(笑)


ナコーンパトムラーチャブリー県境を越えた列車が
停車した駅でいよいよ下車しますよ~。


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…って、ホームが途切れてるじゃん。
砂利の上に降り立つことに -_-;)

ここがどこかと言いますと…


02_10


ノーンプラードゥック駅です。

時刻は09:16。
定刻より11分遅れの到着。


やっと来れた!!
ここにずっと来たかったんですよ~。





<交通費>
ソンテオ:6バーツ(?)
列車:14バーツ
ここまでの合計:42.5バーツ

※旅は2013年4月30日(火)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく


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