タイ~バンコク周辺バス日帰り旅~

タイ・バンコクや近県をバス、ソンテオなどの公共交通機関だけで日帰り旅をした様子を綴る旅行記です。
タイ料理屋台から水上マーケット、百年市場、日本の残した足跡まで無鉄砲に飛び回っています。 ※楽天ブログ『タイとタイ語に魅せられて』の1日旅の記事だけを抜粋しました。

カオレーム・ダム

ダム湖に沈む泰緬鉄道線路跡 カンチャナブリーの奥へ[15]

給油を終えた船は再び走りはじめました。

ほどなくして、
「あそこです」と子供船頭さん。


15_01


ん? あ、それがそうなの?

船が近付いて行くと、


15_02


間違いない! これだ!
泰緬鉄道の線路跡ですよ!

再びエンジンを止め、子供船頭さんがオールを漕いで船を横付け。

上陸します。


15_03


この盛り土の具合、まさしく線路跡ですよね。

カオレーム・ダム
の水の中へと消えていっている方向に歩いて行きます。


15_04


向きとしてはビルマ方面。

泰緬鉄道
が運行していた頃は、もちろんこの先も陸上でした。

1984年にカオレーム・ダムができたために、
サンクラブリーの町とともに湖底に沈んでしまったのです。

線路跡の先に見える山は、先ほど砲撃跡を見たランティー山です。
でも線路は、この後まっすぐランティー山には向かわずに
右へとほぼ直角にカーブしていたようで。


では、逆方向、つまりカンチャナブリー方面へと
泰緬鉄道線路跡を辿れるだけ辿ってみますか。


15_05


お父さんと一緒に線路跡に上がっていた子供船頭さんも
私についてきました。


15_06


ここから線路跡は陸上へ。

時期によってダム湖の水位がかなり上下するようです。
緑に見える部分は雨季真っ盛りには水の中だったのでは?


15_07


その先は、野焼きでもしたかなような黒い地面の上に
線路跡が伸びています。

さらに進むと、森に突入。


15_08


切り通しになった間を線路跡が続いているのですが、
倒れかかった細い竹や木々、雑草が再三行く手を塞いで苦労します。

そしてとうとう、


15_09


どう考えても、素手ではもう前進不可能。

倒れた木々の間から覗くと、切り通しはまだまだ続いていました。


竹や草を刈って歩きやすく整備すれば、貴重な観光資源になるじゃないですか!
なんとももったいない!!

引き返しながらそう子供船頭さんに言うと、

「さっきニシキヘビがいたので小走りで逃げてきました」

そういうことは早く言ってくれ~!!


泰緬鉄道
建設当時、ジャングルの中での作業は、マラリアや
ちょっとした切り傷から菌が入ることにより肉を腐らせる熱帯性潰瘍などの
疫病に苦しめられたそうです。

ジャングル自体の状態は70年前と変わらないと思われるので、
今でもそんな疫病への罹患やヘビやヒルに噛まれる危険性は
同じなんでしょうね。

観光資源化への整備といっても、
そうたやすいことではないのかもしれません。


15_10


建設工事中はもちろん、開通後も列車転覆で死者を出し続けた泰緬鉄道ですが、
今こうやって眺めると、穏やかな風景で平和そのものです。


注意深く足元を見ていたんですが、鉄の線路はもちろん、
枕木も線路を止める釘もまったく見当たりませんでした。

たまに巻き貝の貝殻を見かけたぐらいです。


15_11


しゃがみこみ、煙草の煙をくゆらせているお父さんの元へ戻って来ました。

今回サンクラブリーまで来た最大の目的だった
ダム湖に沈む泰緬鉄道の線路跡を見ることを達成できて大満足です。

もう結構です。行きましょう。
船に乗り込みます。

時刻は、09:39。


少なくとも、貴重な歴史遺産を後世までしっかり残して欲しいですね。

「それは難しいかもしれませんよ。波が少しずつ線路跡を削っているので」
と、指差す子供船頭さん。


15_12


あ、本当だ。

すぐに消滅ということはないだろうけど、
100年後には残ってないかもしれませんね。


15_13


泰緬鉄道の線路跡を離れます。

次はランティー川に架かる橋経由で、
湖の反対側にもある砲撃跡に連れて行ってくれるんだそうで。

もう全ておまかせです ^_^;)



グーグルマップ
の航空写真を拝借した各場所の説明に
泰緬鉄道線路跡も追加しておきました。

サンクラブリーのダム湖





<旅費交通費>
船賃未払いなので:0バーツ
ここまでの合計:975バーツ

※旅は2014年4月1日(火)~2日(水)に行いました。

<参考>
『泰緬鉄道―機密文書が明かすアジア太平洋戦争』吉川利治著,同文舘,1994

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


サンクラブリー


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泰緬鉄道とワット・ワンウィウェーカーラーム カンチャナブリーの奥へ[9]

ダム湖に沈んだ元のワット・ワンウィウェーカーラーム本堂に
船から上陸してみましょう。


09_01


入口をくぐると、壁面には


09_02


なにやら装飾がビッシリ。

「あそこには小さな仏像がはめ込まれていたんです。
 先ほど高台に見えた金色の仏塔に今は全て移されて飾られています」

そうなんですか。明日見に行こうと思っているので楽しみです。


そしてかつては仏像があったであろうところには、


09_03


お坊さんの写真が。どなたですか?

ウッタマ僧侶です」

今でもご存命なんですか?

「2006年に他界しました」

まるでテスト用に暗記した歴史年表を思い出すように、
ちょっと間があってから答えてくれました。

ウッタマ僧侶
の名は今回の旅の下調べ時に初めて目にした程度で
どんな方だったのか知らないで来たのですが、どうやらサンクラブリー
モン族住民からこの上なく尊敬を集めている方のようですね。

この寺院もモン橋ウッタマ僧侶の存在なくしてはあり得なかったでしょうから、
当然と言えば当然なんですが。

ウッタマ僧侶
については、またの機会に詳しく触れることにします。


外に出て壁沿いに歩いていると、

「この寺院建設にはモン式レンガが使われています。これがそうです」と。


09_05


タイ式レンガは○インチ×○インチ、一方のモン式レンガは○インチ×○インチで
モン式レンガのほうが強度があるだとか、表面には例えば手前左の物には
アルファベットの「H」が刻まれているがモン文字が刻まれたものもあるだとか、
やたら詳しく解説してくれます。

モン族の誇りだからですかね。
あ、そうそう。子供船頭さんもモン族だそうで。
同行した友達とはモン語でやり取りしています。

「アルファベットが書かれているのは、泰緬鉄道の線路の刻印を真似したからです」

泰緬鉄道の線路はインドネシアやマレー半島、ビルマからはがして持ってきた
物が使われてましたからね。あとカンボジアで押収した線路もだったかな?
だから彼の話も信用して良さそう。


09_04


本堂の壁を眺めていると、

「この寺院が湖に長年沈んでいても頑丈なのは、
 骨組に泰緬鉄道の線路が使われているからなんです」

なんだって?

泰緬鉄道の線路は、売り払われるか、ここのように建築に流用されるかして
 全てはがされてしまいました」

うーむ、この部分は信用していいものかどうか。

子供の観光ガイドというと、
インド映画『スラムドッグ$ミリオネア』の印象が強いもので。

映画では主人公が子供時代、タージマハルでモグリのガイドをして
デタラメな解説でお金をもらうシーンが登場するんですよ。

子供船頭さんの解説も話半分で聞いた方がいいのかなぁ ^_^;)


さて、一とおり見ましたし、暗くなってきたので帰るとしましょう。


09_06


船に乗り込みます。

ちょうどその時、一艘の船が入れ替わりでやって来ました。


09_07


今からじゃもう暗くて写真は無理だと思いますよー。


湖上に頭を出したかつての門をくぐった船は、一路モン橋へ!


09_08


とうとう暗くなってしまいました。

静かな湖面に私たちの船のエンジン音だけが響き渡ります。


09_09


右手高台に見える黄色い灯の塊は、サームプラソップ・リゾート


そして…


09_10


エンジンを止めて惰性でモン橋脇の竹橋に横付けします。


09_11


時刻は、19:10。

子供船頭さんに船賃200バーツを払いつつ、
実は明日もう一ヶ所行きたいところがあると相談してみます。

「お父さんに聞いてみます。明日の朝またここにいるので声をかけてください」

彼は行ったことがないようですね。了解でーす。


「ところで今晩の宿はもう決めているんですか?」

そうそう、今からちょうどそれも尋ねようと思ったところなんですよ。
実はまだなんですが…。






<旅費交通費>
船賃:200バーツ
ここまでの合計:515バーツ

※旅は2014年4月1日(火)に行いました。
 
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


サンクラブリー


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湖に沈んだ寺院ワット・ワンウィウェーカーラーム カンチャナブリーの奥へ[8]

モン橋脇の竹橋から出発した船は、カオレーム・ダムの湖面を進んでいきます。


08_01


背後のモン橋がどんどん小さくなっていくと、
前方に金色の立派な仏塔が見えてきました。


08_02


ワット・ワンウィウェーカーラームの仏塔でインドのブッタガヤの
仏塔と同じ形に造られました」 と子供船頭さん。

歳を尋ねると10歳とのこと。

子供船頭さん以外に友達らしき男の子もなぜか同乗しています。
見習いかな?(笑)


さらに進むと前方の湖面上に何やら見えてきましたよ。


08_03


はっきり見えてきました!


08_04


「あれが、元のワット・ワンウィウェーカーラームですよ。
1984年のダム完成で水没したんです」

写真で見て知っていたものの、実際にこの目で見ると感動しますね。


08_05


まず先に近付いたのは、「元の鐘楼です」


08_06


そしていよいよ本堂へ…。
前後には門が残っていますね。


08_07


湖に沈んだワット・ワンウィウェーカーラーム本堂正面に向かいます。


08_08


階段に船を寄せて、


08_09


「どうぞ降りてください」と子供船頭さん。


08_10


おぉ。

実はこの寺院、そんなに古くはなくて1953年建立なんですよ。
でも水没して痛んだせいか既に遺跡然とした趣満点ですね。

さあ、夜の帳が落ち始めましたが上陸して散策してみますか。





<旅費交通費>
船賃未払いなので:0バーツ
ここまでの合計:315バーツ

※旅は2014年4月1日(火)に行いました。

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


サンクラブリー


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ワチラーロンコーン・ダムだ! カンチャナブリーの奥へ[6]

バスに再び戻ってみるも、まだ出発する気配なし。


06_01


20分と言っていたのに既に30分経過してます。

乗客や運転手はどこにいるかと言うと、


06_02


バス左手奥に見える掘立小屋みたいな食堂で時間を潰しています。

西へと伸びる路地に入ってみると、


06_03


向こうに聳える山がモコモコしてて面白い風景ですね。
あの向こうはもうミャンマーです。

あー、手持無沙汰だ。
もうバス車内で座って待ってましょう。

すると、後続のバスがやって来て同じ場所に停車するではないですか。
それを合図にみんなバスへ戻って来ます。

さらにどうやらあっちのバスはトーンパープーム止まりのようで、
こちらへ大勢乗り移って来ました。ほとんどは若い男性ですね。

なるほど。この後続バスを待っていたのか。

案の定、ようやく出発。
時刻は15:43。なんと50分もここで無駄にしてしまいました -_-;)


市場のど真ん中を抜けトーンパープームの町を出たバスは、
再びクウェーノーイ川に架かる橋を渡ります。


06_04


すると、またもや停車するではないですか。今度は何の説明も無し。
でもまた後続のバスを待っているらしいことはもう想像できます。

またまた20分ほど時間が経過した頃、


06_05


反対車線にトーンパープームに向かう後続のバスが到着。
なんとあっちはエアコンバス。

で、小走りに5人ほど移って来て発車。
ひょっとしてこれがサンクラブリー行き最終バスなのかな…。

国道323号線に戻ったバスは北上を始めます。
道が険しくなり上り坂の連続に。


そんな中、警察の検問が出現。
時刻は16:49。

制服姿の係官が乗り込んできて、パスポートを集め始めました。
私も出したものの戻されるではないですか。

ここもミャンマーのパスポートだけ集めているようで、
提出した人は全員事務所へ連れて行かれました。なんと乗客の大半。
タイ人はわずかしか乗ってないってことですね。

しばらくして全員戻って来て再出発。


06_06


すると、左手の木々の間に湖面が見え隠れし始めました。

カメラを向けるものの、木や電柱が邪魔してうまく撮れません。
そうこうしているうちに道路が湖面に近付いてきて…


06_07


ようやくマシな写真を撮れました!

ワチラーロンコーン・ダム
です。

クウェーノーイ川
を堰き止めて1984年に完成したダムで、
当初はカオレーム・ダムという名称だったのを
皇太子の名に変更したようです。


お、


06_08


湖に流れ込む3つの川のひとつ、ランティー川に架かる橋を渡ります。

渡り切ると、いよいよ最大の難所へ。
時刻は17:49。


06_09



急な上り坂をバスは喘ぎながら、歩く速度並みのノロさで登っていきます。
その横を普通車がスイスイと追い抜いていくのがなんとも悔しいですね(笑)

この辺りは携帯電話も圏外。

やっとの思いで登り切ると、今度は下り坂が待っていました。


06_10



スピードを出させないためか、下り車線はコンクリート壁で狭く仕切られています。

下り坂を抜けきると、ようやくなだらかな道に。

そろそろかな。
バスは左折して右手のバス・ターミナルに停車。


06_11


終点サンクラブリーに到着しました!

時刻は、18:06。
ヒンダート温泉でバスに乗車したのが14:25ですから、
実に3時間40分もかかったんですね。

お陰で左腕が真っ赤に日焼けしてしまいましたよ ^_^;)




<旅費交通費>
バスに乗っていただけなので:0バーツ
ここまでの合計:300バーツ

※旅は2014年4月1日(火)に行いました。

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


サンクラブリー


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