タイ~バンコク周辺バス日帰り旅~

タイ・バンコクや近県をバス、ソンテオなどの公共交通機関だけで日帰り旅をした様子を綴る旅行記です。
タイ料理屋台から水上マーケット、百年市場、日本の残した足跡まで無鉄砲に飛び回っています。 ※楽天ブログ『タイとタイ語に魅せられて』の1日旅の記事だけを抜粋しました。

ウッタマ僧侶

ワット・ワンウィウェーカーラーム カンチャナブリーの奥へ[12]

モン橋横の竹橋を渡りつつ、
エンジン音を轟かせている船のほうを ふと眺めます。


12_01


日は昇っているものの、朝霧のせいでぼんやりと。
これまた幻想的な風景ですね。

でも、


12_02


さきほどよりは、霧が多少晴れたように思います。


対岸に辿り着くと、


12_03


なんとまあ。
バイクが無ければ、まるで江戸時代な光景ですよ。

バイクタクシーの兄ちゃんに声をかけ、行き先を告げます。
えーと、ワット…

「ワット・ワンウィウェーカーラーム」

そうそう、そこです。
名前が長くて覚えられませんでした ^_^;)

「20バーツ」

OKです。跨ろうとすると、
「お供えの花はいかがですか? どうせあちらで買うことですし」
と花売りの女性。


12_04


あれ、いつの間に ^_^;)
10バーツ渡して、花束を受け取ります。

ちなみにこちら岸へ渡って来た途端、
ほっぺたにタナカを塗った人だらけなんですよね。
女性の腰巻きスカート率も高しです。

こちらがミャンマーからやって来たモン族の集落なんだそうで。

ではお寺に向けて出発!
時刻は、07:23。

緩やかな坂を上ったり下りたりしつつ、
5分でワット・ワンウィウェーカーラームに到着。


12_05


入口を入って左手には立派な建物が。
プラサート・カーオヨート(九塔)というようで。

見上げると、


12_06


あ、昨日、ダム湖に沈んだ元のワット・ワンウィウェーカーラーム
飾ってあった写真と同じお坊さんだ。ということは、ウッタマ僧侶ですね。

「ウッタマ僧侶の棺はこの中に安置されています」

あ、そうなんですか。
でも朝早過ぎてまだ開いていないのが残念。

ウッタマ僧侶は、ミャンマー生まれ。
出家後苦労の末ミャンマー仏教界最高位の試験に合格すると、
さらに経験を積むためにミャンマー各地やタイのチェンマイにまでも
足を伸ばし、積極的に巡礼をしたのだとか。

1949年、台風によって故郷が壊滅的な被害を受けてしまいます。
さらに政府軍と反政府勢力の戦闘拡大に嫌気がさしたウッタマ僧侶は
トーンパープームの地から再びタイへと足を踏み入れます。

招聘を受けるなどして、トーンパープームのあの山上の寺ワット・ターカヌンや、
サムットサーコーン県のワット・バーンプラーなどで出家したのち、
ラーチャブリー県ポーターラームのワット・コで出家中の1951年、
ある知らせを受けたのです。

故郷から大勢のモン族の人々が川伝いに国境を越えサンクラブリー
避難してきている。ウッタマ僧侶の招聘を望んでいる、と。

ワット・コでの出家を終えたウッタマ僧侶はサンクラブリーに向かいます。
これがサンクラブリーのモン族集落の始まりとなったのでした。

その後、ウッタマ僧侶が中心となり、モン族とカレン族の協力で
1956年に建てられたのが、今はダム湖に沈んでいる
元のワット・ワンウィウェーカーラーム


丘の上の現在のワット・ワンウィウェーカーラームは、
ダム湖ができた1984年以降に建てられたものです。


そうそう、この建物ですが塔が3つしかないのになぜ
プラサート・カーオヨート(九塔)という名なのかと思ったら、
ウッタマ僧侶の棺に9つの塔状の装飾が施してあるからなんだそうで。

ウッタマ僧侶は2006年、97歳で逝去。
プラサート・カーオヨートは、その後建てられたのでしょうね。

いずれにしても入って見れないのが残念です。
2階はミュージアムになっているんだとか。


「ウィハーンは開いてますよ」とバイタクの兄ちゃん。

あ、ほんとだ。ちょっと行って来ます。

入口右手のウィハーン・ヒンオーン(大理石仏堂)内部は
ひんやりした空気が漂っています。


12_07


名のとおり中央には、ひと塊の大理石から彫られた仏像が。

なんでもウッタマ僧侶がミャンマーのマンダレーの彫刻師に
彫らせたものなんだとか。

完成後、ミャンマー宗教局の許可取得や、9トンの重さのある仏像の運搬に
てこずって、やっとの思いでこの先の国境から搬入したんだそうです。

仏像の前には一対の象牙が。珍しいんじゃないですか?


さて、ここの境内は見終えたので、次なるスポットへ。

チェーディー・プッタカヤー
にも行ってもらえますか?

「いいですよ」

再びバイクに跨り、緩い坂を下りて行きます。


12_08


すがすがしくて気持ちいいもんですね~。
ちなみに左手は学校。


ものの1,2分で到着しました!
時刻は、07:40。


12_09


チェーディー・プッタカヤー(ブッタガヤ仏塔)です!





<旅費交通費>
バイクタクシー代未払いなので:0バーツ
ここまでの合計:915バーツ

※旅は2014年4月1日(火)~2日(水)に行いました。

<参考>
MonStudies.com "หลวงพ่ออุตตมะ"(タイ語)
Wikipedia "พระราชอุดมมงคล (เอหม่อง อุตฺตมรมฺโภ)"(タイ語)
 
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


サンクラブリー


よろしければ下記バナーのクリックをお願いいたします。
ブログを書く励みになります m(_ _)m

タイ・ブログランキング  にほんブログ村 旅行ブログ タイ旅行へ



     

泰緬鉄道とワット・ワンウィウェーカーラーム カンチャナブリーの奥へ[9]

ダム湖に沈んだ元のワット・ワンウィウェーカーラーム本堂に
船から上陸してみましょう。


09_01


入口をくぐると、壁面には


09_02


なにやら装飾がビッシリ。

「あそこには小さな仏像がはめ込まれていたんです。
 先ほど高台に見えた金色の仏塔に今は全て移されて飾られています」

そうなんですか。明日見に行こうと思っているので楽しみです。


そしてかつては仏像があったであろうところには、


09_03


お坊さんの写真が。どなたですか?

ウッタマ僧侶です」

今でもご存命なんですか?

「2006年に他界しました」

まるでテスト用に暗記した歴史年表を思い出すように、
ちょっと間があってから答えてくれました。

ウッタマ僧侶
の名は今回の旅の下調べ時に初めて目にした程度で
どんな方だったのか知らないで来たのですが、どうやらサンクラブリー
モン族住民からこの上なく尊敬を集めている方のようですね。

この寺院もモン橋ウッタマ僧侶の存在なくしてはあり得なかったでしょうから、
当然と言えば当然なんですが。

ウッタマ僧侶
については、またの機会に詳しく触れることにします。


外に出て壁沿いに歩いていると、

「この寺院建設にはモン式レンガが使われています。これがそうです」と。


09_05


タイ式レンガは○インチ×○インチ、一方のモン式レンガは○インチ×○インチで
モン式レンガのほうが強度があるだとか、表面には例えば手前左の物には
アルファベットの「H」が刻まれているがモン文字が刻まれたものもあるだとか、
やたら詳しく解説してくれます。

モン族の誇りだからですかね。
あ、そうそう。子供船頭さんもモン族だそうで。
同行した友達とはモン語でやり取りしています。

「アルファベットが書かれているのは、泰緬鉄道の線路の刻印を真似したからです」

泰緬鉄道の線路はインドネシアやマレー半島、ビルマからはがして持ってきた
物が使われてましたからね。あとカンボジアで押収した線路もだったかな?
だから彼の話も信用して良さそう。


09_04


本堂の壁を眺めていると、

「この寺院が湖に長年沈んでいても頑丈なのは、
 骨組に泰緬鉄道の線路が使われているからなんです」

なんだって?

泰緬鉄道の線路は、売り払われるか、ここのように建築に流用されるかして
 全てはがされてしまいました」

うーむ、この部分は信用していいものかどうか。

子供の観光ガイドというと、
インド映画『スラムドッグ$ミリオネア』の印象が強いもので。

映画では主人公が子供時代、タージマハルでモグリのガイドをして
デタラメな解説でお金をもらうシーンが登場するんですよ。

子供船頭さんの解説も話半分で聞いた方がいいのかなぁ ^_^;)


さて、一とおり見ましたし、暗くなってきたので帰るとしましょう。


09_06


船に乗り込みます。

ちょうどその時、一艘の船が入れ替わりでやって来ました。


09_07


今からじゃもう暗くて写真は無理だと思いますよー。


湖上に頭を出したかつての門をくぐった船は、一路モン橋へ!


09_08


とうとう暗くなってしまいました。

静かな湖面に私たちの船のエンジン音だけが響き渡ります。


09_09


右手高台に見える黄色い灯の塊は、サームプラソップ・リゾート


そして…


09_10


エンジンを止めて惰性でモン橋脇の竹橋に横付けします。


09_11


時刻は、19:10。

子供船頭さんに船賃200バーツを払いつつ、
実は明日もう一ヶ所行きたいところがあると相談してみます。

「お父さんに聞いてみます。明日の朝またここにいるので声をかけてください」

彼は行ったことがないようですね。了解でーす。


「ところで今晩の宿はもう決めているんですか?」

そうそう、今からちょうどそれも尋ねようと思ったところなんですよ。
実はまだなんですが…。






<旅費交通費>
船賃:200バーツ
ここまでの合計:515バーツ

※旅は2014年4月1日(火)に行いました。
 
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


サンクラブリー


よろしければ下記バナーのクリックをお願いいたします。
ブログを書く励みになります m(_ _)m

タイ・ブログランキング  にほんブログ村 旅行ブログ タイ旅行へ



     

サンクラブリーのモン橋 カンチャナブリーの奥へ[7]

サンクラブリーのバスターミナルにようやく到着したものの
時刻はすでに18時を回っています。

日が暮れる前にどうしても見ておきたいものがあるので
やむなくバイクタクシーを利用することに。

サパーン・モーン(モン橋)に行けますか?

「15バーツ」

よし、後ろに跨って急行しますよ~!


07_01


バスターミナル前の通りを南へと進み、すぐにあるこの交差点を右へ。
道なりに突き当たりまで突っ走った後、右手の狭い急坂を下っていきます。


07_02


眼前に湖が見えてきました! 坂の下で停車。
目の前が橋の入口でした。 時刻は、18:12。

運賃を渡して、早速モン橋へ!


07_03


橋の維持費用募金箱の横を通り、橋の上に立ちます。


07_04


見てのとおり木で作り上げられた橋なんですよ。

ここサンクラブリーは、住民の大半がモン族。
そのモン族の心のよりどころワット・ワンウィウェーカーラームの住職だった、
ウッタマ僧侶の発案でモン族が力を結集して築いた橋なのです。

1年の歳月をかけて完成したのは1987年。
カオレーム・ダムが完成してから3年後のことでした。

左の眼下にはいかだの家屋が連なる集落が。


最近ではすっかり観光名所として定着したこのモン橋ですが、
昨年2013年7月28日、思わぬ事態が起こったのです。

上の写真の橋の先をよーくご覧ください…。



わかりましたでしょうか。

危なくないところまで寄ってズームで狙ってみます。

07_05

その日の18時半頃、3日間降り続く雨の影響で西方から濁流が押し寄せ、
橋の中間50メートルほどが倒壊してしまったのでした。

それまでは全長850メートルで、
世界第2位の長さを誇る木橋だったのですが。
ちなみに第1位はミャンマーのウーベン橋だそうで。

両岸を繋ぐ生活に欠くことのできない橋のため、


07_06


竹を組んで急ごしらえされた橋がすぐ横に架かっています。


なんとももったいないことですよね。

早く修復して欲しいものですが、
実はこの急ごしらえの竹橋とその横のいかだ集落が
橋に近過ぎるため、修復作業に着手できないのだそうで。

両方とも橋から遠くに移そうと協議が持たれたのですが、
橋から離れることで観光客からの収入が減ることを恐れた
いかだ集落住民が反対。

頓挫したまま月日だけが経過している状況のようです…。

早く折り合いをつけて修復できるといいんですが。
まぁ、真ん中が崩れていても、それはそれで見ごたえはあるんですけどね。


橋の上から西を眺めると、


07_07


ちょうど山の向こうに日が沈むところでした。
日暮れまでに間に合って本当に良かったです!


さて、戻りますか。


07_08


橋の向こう、丘の上に建つのは
サームプラソップ・リゾートというホテル。

最初はあそこに宿泊しようかと思ったんですが、
全室からモン橋が見えるわけではないようなのでやめました。

よって、まだ今晩の宿は未定(笑)


モン橋
の手前左手に階段があって、


07_09


「竹橋への下り口」との掲示が。
んじゃ、竹橋を渡って対岸を見てみますか。


階段に続く土の斜面を下りたところに竹橋が。


07_10


足を踏み出すと、竹特有のみしっみしっという音が響きます。
湖面に浮いたかたちで架けてあるんですね。

歩く感触を楽しみ、崩壊箇所を眺めながら進んでいくと、
ふいに左手から子供の声で「船に乗りませんか?」と。

木橋ばかり見ていたので気にしてませんでしたが、
竹橋の左に船がいるではないですか。上の写真にも写ってますね。
船頭さんは小学生高学年ぐらいの男の子。

「30分で200バーツです」

ほぉ、でももう日が暮れちゃいますよ。

「まだ大丈夫です!」


てなことで…、


07_11


こういう展開とあいなりました(笑)

時刻は、18:21。





<旅費交通費>
バイクタクシー:15バーツ
ここまでの合計:315バーツ

※旅は2014年4月1日(火)に行いました。

<参考>
ウィキペディア「ウッタマーヌソーン橋」(タイ語)
「Manager Online」2013年9月30日付記事(タイ語)

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく


サンクラブリー


よろしければ下記バナーのクリックをお願いいたします。
ブログを書く励みになります m(_ _)m

タイ・ブログランキング  にほんブログ村 旅行ブログ タイ旅行へ



     
 
旅ごとに見る
このブログ内で検索
アンケートモニター登録
Gポイント
 
タグでまとめて見る
最新コメント
QRコード
QRコード