タイ~バンコク周辺バス日帰り旅~

タイ・バンコクや近県をバス、ソンテオなどの公共交通機関だけで日帰り旅をした様子を綴る旅行記です。
タイ料理屋台から水上マーケット、百年市場、日本の残した足跡まで無鉄砲に飛び回っています。 ※楽天ブログ『タイとタイ語に魅せられて』の1日旅の記事だけを抜粋しました。

トンブリー路線バスの旅<2008年>

トンブリー路線バスの旅[6] クイッティアオ・ルア

バーンヤイに到着した私は、前方に見えた橋を上り
真ん中からまず右の上流側を眺めてみました。

バンコク・ノーイ運河

バンコク・ノーイ運河です。
でも昔は、こちらがチャオプラヤー川の本流だったとか。

アユタヤ時代の1636年、プラサートトーン王(治世1629~56年)が命じて、
西に大きく蛇行していたこの部分をショートカットする運河を東方に掘削させ、
以来そちらが本流になって現在に至るのです。

プラサートトーン王と言えば、山田長政毒殺を指示したとも伝えられ、
またアユタヤ日本人町を焼き討ちした王。

山田長政は死去が1630年ですから、きっとこちらの旧流のチャオプラヤー川しか
知らずに亡くなったのでしょう。
山田長政もここを船で通ったんでしょうね。


さてさて、今度は左の下流側を・・・

あ、あった!!!!!

クイッティアオ・ルア売りの舟

何だか分かりますか?
クイッティアオ・ルアです。
本物の舟で作って売ってるクイッティアオ・ルアなのです!!

私はコレを食べたくてわざわざ脇道にそれてまで
ここバーンヤイ(バーンムアン)までやって来たのです。

下りて行き、早速おばさんに注文。
まずは、「センレック・ナーム」。

おばさんは、おもむろに舟に下り黙々と作り始めました。

「写真撮らせていただいていいですか?」

私の問いかけにニコッとはにかんだかと思うと
また下を向いて黙々と作り続けてくれました。

舟上でクイッティアオを作っています

暫くするとおばさんの呼ぶ声が。
できたみたいです。
取りに行ってテーブルに戻り、いざ!

センレック・ナーム

楽しみにしていた味は、やや薄めの味付けです。
でも深みのある味わいがあり、美味しい!!
量も少なくなく丁度いい具合。

一杯平らげ、今度は・・・
クイッティアオ・ルアといったらやっぱり注文しないワケにはいかないでしょう。
「センレック・ナムトック」です!

センレック・ナムトック

こちらも同様に薄めですが、やっぱり美味しい!!
うぅっ、ここまで来た甲斐がありましたよ~(涙)

どちらも一杯15バーツ。安いな~。

近くの店で聞いたところによると、先ほどの橋の上流側のたもとにも
同じく舟のクイッティアオ売りがいるそうです。
私は2杯食べて満足したので、ここで切り上げて先を急ぐことにしました。

<交通費>
食べただけなので・・・:0バーツ 
ここまでの合計:41バーツ


※旅は2008年4月28日(月)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく・・・


バーンヤイ(バーンムアン)のクイッティアオ・ルア

トンブリー路線バスの旅[7] バーンブアトーン収容所

念願のクイッティアオ・ルアに満足満足!
橋の両脇には、舟の物売りのオブジェが建っています。

バーンヤイの橋と舟のオブジェ

もしかして水上マーケットもこの辺にあるんでしょうかね。

バス停で待っていたノンタブリー(バーンシームアン船着場)行きバスに乗車。
しかしさっきのバスにも増してボロいなぁ(笑)

ノンタブリー行きのバス

ほぼ満席のバスは、09:45に出発しました。
ほどなくしてバーンブアトーン方面との三叉路に着いたところで私は下車。

バーンヤイ方面とバーンブアトーン方面の三叉路

左がバーンヤイ、右がバーンブアトーン方面です。
ここでバーンブアトーン行きの同じバス会社のバスに乗り換えます。
ほどなくやってきたバスに飛び乗り、バーンクルアイ・サイノーイ通りを一路北へ。

多分ラッタナーティベート通りを越えた辺りからだと思うんですが、
急に綺麗に整備された道になり、景色が一変しました。

地図と車窓の景色とを見比べつつ、目的地で下車。
ここ、バーンブアトーン市役所です。

バーンブアトーン市役所

な、なぜ!? って思いますよね。私も同感です(笑)

実は、ここバーンブアトーン郡には終戦直後、日本人が抑留されていた
「バーンブアトーン収容所」(カーイ・ピタック・バーンブアトーン)があったのです。

その跡地を見たいと思ったものの、場所が特定できません。
なので市役所で尋ねようと思ったのですが、収容所が60年前とは言え市内にあったとは
思えませんし、ヘタレな私は土壇場で尋ねる勇気もなく・・・(汗)

在京タイ王国大使館のバーンブアトーン収容所に関するページによると、
現在では収容所の痕跡は皆無だそうです。
まぁ、それも行くのを断念した理由の一つなのですが。

ただこちらのタイ人の方のブログによると、地元住民が
「バーン・カーイ2」(第2キャンプ)、「バーン・カーイ3」(第3キャンプ)
と呼ぶ地名として残っているんだとか。
でも地元の方もなぜそう呼ぶのかは、今や知る人はほとんどいないそうです。

あと、どこかで見つけたのですが、「クローン・カーイ2」(第2キャンプ運河)
という名の運河があるらしいです。地図を目を皿のようにして調べたのですが、
小さな運河らしく載っていませんでした。


バーンブアトーン収容所には、抑留日本人3,603人中の大部分にあたる、
3,449人(外交関係者および一般文民)が抑留されていたのだそうです。

残留を希望しない3,020人は、1946年6月16日に船でバンコクを発ち、
残留希望者のうち連合軍(英軍)に許可された146名が解放されたのは、
同年9月26日だったとのことです。

恐らく収容所があったのは、もっとずっと北西の方だと思います。
そこまでは時間的にも無理でした。でもバーンブアトーンに来られただけで
正直、私は満足なのです。


さて、こんなところで降りてしまって、これからどうするんだ!?


<交通費>
ノンタブリー行きバス:6バーツ 
バーンブアトーン行きバス:8バーツ
ここまでの合計:55バーツ


※旅は2008年4月28日(月)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく・・・


【参考文献】
 村嶋英治「日タイ関係 1945-1952年, -在タイ日本人及び在タイ日本資産の
 戦後処理を中心に-」早稲田大学アジア太平洋研究センター『アジア太平洋討究』
 創刊号、早稲田大学アジア太平洋研究センター図書・編集委員会、2000年


バーンヤイ~バーンブアトーン

トンブリー路線バスの旅[8] カーチェイス@バーンブアトーン

バーンブアトーン市役所の前で立ち尽くす私・・・。

バーンブアトーン市役所前の風景

この先は南下してピンクラオに出たいのですが、その方面に行くバスの乗り場が
実はよく分からないのです。ただ言えることは、ここには走ってない!!

取り敢えずここまで乗ってきたバスに乗り直して、景色を確かめながら
バス停を探すしかなさそうです。

ちょうど向こうからバスがやってきました。
全速力で駆け出し何とか飛び乗ることができました。

が・・・。車内にお客さんがいません。それどころか車掌さんも。
しまった。回送のバスに乗ってしまった!!

慌てて前を向くと、ミラー越しに運転士のおじさんと目が合いました。

「どこまで乗るんだい?」

え、えーっと、南バスターミナルへ行くバスのバス停まで行きたいんですが・・・。

「この辺りでバスに乗ったことがないだろ? 先の市場まで行かないと無いぞ。
 普通は客を乗せないけど特別だ。じゃぁ、6バーツ。」


・・・は? どうやら市場のバス停まで乗せてってくれるみたいです。
しかも規定運賃より安い6バーツで! これは助かりました。ありがとうございます!

運転席の真後ろに座ると、運転手さんはしきりに話しかけてくれます。
が、悲しいかな、半分ぐらいしか聴き取れません、ナゼだ~。かなりショック。

ほどなく町並みが古くかつ賑やかになってきました。人力サムローも走っています。
このあたりが市場(タラート)なのでしょう。

「あのバスだ。127番が南バスターミナルに行くぞ。」

前方100mぐらいに127番のバスが走っています。
気がつくと賑やかなところを過ぎてしまっていました。
あれ???

なんと、どうやら前を走るあのバスに追いついてくれようとしているみたいなのです。

その間も何やら話しかけてくれています。
この辺りなら手を上げればバスは止まってくれるが、この先はバス停しか止まらない、
とか言ってるものと思われますが(汗)

左折し前方にはカーンチャナーピセーク通りが見えてきました。
ヤバイ。あの通りに出たらもう追いつけない!!

127番のバスがバス停に止まりました。あとちょっとで追いつけます。
が、非情にもやおら発車し始めました。

すると運転士のおじさんはスピードを上げ、まさに走り出した127番のバスの前に
斜めに突っ込むかたちで停車させ、127番バスを止めてくれたのです!!

「ほら、あっちに乗りな」

ありがとうございます!!!!

私は叫んで頭を下げ、走って127番に乗り込んだのでした。
そしてカーンチャナーピセーク通りに入り、バスはスピードを上げて南下を始めました。


席について落ち着いたところで、ふと思いました。
今さっき、実は凄い体験をしたのでは。バスでカーチェイスだなんて!(笑)

そして、頭を下げるのではなくて、ワーイをすべきだったなぁ。
あの運転士のおじさん、最後まで私を外国人だと気付かなかったみたいですし。

強烈に心に残る思い出を胸に、バーンブアトーンを後にしたのでした。
時刻は10:40。


<交通費>
バーンブアトーン行き貸切バス(笑):6バーツ
127番バス:8.5バーツ
ここまでの合計:69.5バーツ


※旅は2008年4月28日(月)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく・・・



バーンブアトーン市役所~カーンチャナーピセーク通り

トンブリー路線バスの旅[9] パープル・ライン

カーンチャナーピセーク通りを南下する127番バスの車窓から
カーフー(カルフール)が見えてきました。

再び戻ってきたバーンヤイ郡で最も栄えているのがこの辺りのようです。
カーフーの向かいにはBig Cが、隣にはバーンヤイ中央市場なる看板も見えました。
郡役所も近くに建っています。

バーンヤイのカーフー 

実はこのカーフーのちょうど正面あたりに将来、高架鉄道の駅ができるのです。

バンコク首都圏で計画中の新規鉄道路線のうち、パープル・ラインと呼ばれる路線が、
バーンスーからここバーンヤイ地区までの間で計画されています。

開業は2013年を予定(あくまで)。
日本からの624億4,200万円の円借款で整備されます。

国際協力銀行(JBIC)のプレスリリースによると、
この辺りは商業地区としての開発が予定されているんだとか。
さらに鉄道が開業すれば、バンコクのベッドタウンとして
コンドミニアムが林立すること間違いなしです。

5年後にはこの辺りの景色は一変してそうですね。
でも下水道の整備はしっかりやって欲しいものです。
下水垂れ流しで周辺の運河がセンセープ運河みたいなドブ川になってしまったら、
バーンムアンのクイッティアオ・ルアも姿を消してしまうでしょうから。

そうそう、JBICの整備事業地図(PDF)によると、このパープル・ラインは、
バーンヤイまででなく、その先のクローン・バーンパイ(バーンパイ運河)が
終点になるようです。将来的にバーンブアトーンまで延伸しそうな予感がしますね。


・・・と、将来大変貌を遂げそうなバーンヤイをあっと言う間に通り過ぎ、
ほぼ直線のカーンチャナーピセーク通りを飛ばした127番バスはバンコク都に入ります。

左折してプラボーロム・ラーチャチョンニー通りに入ると、
新南バス・ターミナル(めちゃくちゃ遠くなりましたねー)前を通り、
旧南バス・ターミナル跡の更地(長距離バスの駐車場になってます)のところで右折。

メジャー・シネプレックス・ピンクラオ前のバス停で、私は下車しました。

メジャー前のバス停に到着した127番バス

なぜかというと喉が渇いたので(笑)
メジャーで一服です・・・。

メジャー・シネプレックス・ピンクラオ

<交通費>
127番バスは支払い済みなので:0バーツ
ここまでの合計:69.5バーツ


※旅は2008年4月28日(月)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく・・・


バーンヤイ~ピンクラオ

トンブリー路線バスの旅[10] バンコクノーイ駅

メジャーでカーフェー・イェン(アイスコーヒー)を飲んで一服した私は、再びバス停へ。
今度は57番のバスに乗り込みました。時刻は11:40。

57番バス

交差点で右折するものだと思っていたら、いきなり左折し焦りましたが
先でUターンして、さらにソムデット・プラピンクラオ橋の下をぐるっと回って
ようやく予想していた道に入りました。乗り間違えたかと冷や汗モンでしたよー。

バンコクノーイ運河に架かる橋を越えたところで下車。
徒歩で橋まで戻ってみました。下流側はこんな風景です。

バンコクノーイ運河上の橋から

クイッティアオ・ルアを食べたバーンムアンのあの運河を下ってくると
ここに出るのです。もうすぐそこはチャオプラヤー川との合流点。

右端のビル群はシリラート病院。あとで行ってみることにして、
まずは2本のクレーンの間に見えるレンガ風の塔へ向かうことに。
あそこはバンコクノーイ駅です。

とぼとぼ歩いて行くと、緑色の背の高い鉄板で覆われています。
イヤな予感が。
塔の近くまで到着すると・・・

バンコクノーイ駅が・・・

ぐえっ! 工事中!?

看板を読むと、シリラート病院の研究・サービス施設を建設しているようです。
なんと、バンコクノーイ駅は無くなっちゃいました!!
西方のトンブリー駅が始・終着駅になったみたいなのです。

中を恐る恐る覗くと・・・

バンコクノーイ駅跡地の建設現場

すっかり駅も線路も無くなってます。あの塔だけ残されたんですね。

バンコクノーイ駅といえば、小説『クーカム』(邦題『メナムの残照』)で
日本軍将校の小堀が英軍機の爆撃を受けて・・・という、まさにその場所。
勿論フィクションなんですけど、でもそんなタイ人・日本人に馴染み深いストーリーの
舞台が消えてしまったのは、ちょっと残念です(T T)


<交通費>
57番バス:8.5バーツ
ここまでの合計:78バーツ


※旅は2008年4月28日(月)に行いました。
元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく・・・


メジャー・ピンクラオ~バンコクノーイ駅跡地

 
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