早朝のイートン市場でカオソーイを食べ、
橋を渡りながら市場を振り返ると、

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托鉢らしき僧侶の姿が。
タイで一般的な山吹色の袈裟より濃い色をしていますが、
ミャンマー僧なんでしょうかね?

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池から見渡すと、さっき訪れた山の上の寺ワット・ムアンレーピロック
ちょうど昇ったばかりの朝日を受けて輝いていました。

時刻は06:50。
ぶらぶら散策しながら宿に戻りますか。

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イートン集落の目抜き通りにもようやく日が射してきました。

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お、昨晩エークくんと飲んだ食堂がもう営業してますよ。
さすがに今朝は集落長の姿がないですね。

すると背後から黄色いソンテオがやって来ました。
運転席には昨日ヌーン・チャーンスックへ行くのにチャーターした
ソンテオの運転手さんが。7時ちょうどの便ですね。

すみません。7時半の便に乗ることにしました。

なんだ、という顔を一瞬見せたかと思うと仏頂面に戻った運転手さんは
そのままソンテオを走らせていきました。すみませーん ^_^;)

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宿の部屋に戻り荷物の支度をします。
昇ったばかりの朝日が眩しくすがすがしいですね。


07:25、部屋から出ると、

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目抜き通りの奥には既に7時半のソンテオが停車中。

10_06

そうそう、これが今回私が泊まった宿です。
ナット-エン-トン-ハウス(ณัต-เอ่ง-ต่อง-เฮ้าส์)

ここイートンは元々「ナットエントン」と呼ばれていました。
多分ミャンマー語で、ナットは神、エンは家、トンは山の意味。
なので「神の山の上にある集落」という意味だったとか。
それが次第に略され訛って「イートン」になったとのこと。

町名でありスズ鉱山名であった「ピロック」の由来も
解説しておきましょう。


ビルマから越境してきた鉱山労働者がタイ当局側に抵抗して
戦い死んだとか、
鉱山事故やマラリアなどの熱帯病で死者が出たとか
色々言われているんですが、
とにかくかつてここでは多くの人が
死んだんだそうです。


それで「ピー・ローク」(ผีหลอก)=「お化けの出る」鉱山、
と呼ばれていたのがやはり訛って「ピロック」になったとのことです。


扉が開いていた表の母屋兼受付にお邪魔して、
女性オーナーにチェックアウトしますと告げます。

「おまけで朝食を出してあげるね」

あれま、どうもありがとうございます ^^

焼き上がったトーストを目の前の皿にポンポンと3枚積み上げて
さらにミカンも2個くれて、スティックコーヒーも付けてくれました。

「ウォーターサーバーの水は天然の湧き水だよ」

さすが山の上の集落!
せっかくなのでその水も頂きました。

「外は20℃だね」と温度計を見て教えてくれます。

外を眺めながらパンを食べていて気付きました。

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見づらいですが、山の上の右寄りにタイ国旗が立ってますね。
あそこが昨夕登ったヌーン・チャーンスックです。

するとオーナーさん、さらに右手の山を指差し、
「あの山、左半分が禿げているでしょ?」

10_09

あ、本当だ。

なんでも2か月前にミャンマー側から出火した山火事が延焼して
あんな姿になっちゃったんだとか。夜も赤々と燃えていたそうです。

「集落の人総出で棒切れで火をはたいて消火活動をしたのよ。
 だって水をあそこまで運ぶことはできないからね」

それで消火できてよかったですね、ホントに。

そうこうしていると、ちょうど07:30にソンテオ登場。
昨日乗ったトーンパープームからの便と同じ運転手です。

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オーナーさんにお礼を言って荷台に乗り込もうとしたら、
運転手さんが助手席に座るようにと。ありがとうございます!

いいところだったな、イートン
懐かしく感じるというか、また絶対に来たいと思わせる
何かがある集落です。


山道を下って行く間、運転手さんとずっと話をしていました。

子供の頃はトーンパープームまで歩くしかなかったんだそうで、
イートンを朝5時に出て、トーンパープーム着が16時だったとか。

未舗装の道で赤土が舞い、雨が降るとぬかるんで膝下まで
ドロドロになったものだけど、10年ほど前に舗装されたんだと
教えてくれました。

しかしカーブの多い山道です。
転落事故は起きたことないんですか?

「転落事故は一度もないよ。象廟が守ってくれているからね」

運転手さんがおもむろにクラクションを鳴らしました。

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ここが象廟か。
この山道の守り神なんですね。

象廟っていうぐらいだから、もしやと思い尋ねると、
やはりこの辺りには野生ゾウがいるとのこと。

たまに姿を見せるもののほとんどは夜間。
ここのゾウは大人しいので、カオヤイ国立公園のゾウのように
車を襲うことはないそうです。

また北タイやイサーンと違い、ここは食べ物が豊富なので
人里に下りて農園を荒らすこともなく、ご利益のあるゾウなんだと。

イートンには人にとっても食べ物が豊富なんだと運転手さん。
山に入ればタケノコやキノコが取り放題。
湧き水が飲めるから水を買う必要もない。

唯一ないのが農業に適した平坦な土地。でも農業ができたら
化学肥料や農薬で水が汚染されて飲めなくなるから
このままでいいんだ、

と言ったかと思うと、おもむろに車を停めて降りていっちゃいました。
すぐに戻ってきた運転手さんの手には何やら木の実が。

「これはスープ(トム・ジュート)にすると美味しいんだ」

イートンの自然の豊かさと自給自足に近いお金のかからない生活を
誇らしく思っているように窺えます。
なんでも一旦はバンコクへ出ていたものの、故郷に戻ってきて
ソンテオ運転手になったんだそうで。

「ここの人はたいていタイ語とミャンマー語の2つを話せるんだ。
 両親がミャンマー人で生まれてからタイにいるのでタイ国籍を
 持っている人も多い。僕もハーフで2言語を話せるよ」

失礼ながらあんな山奥の集落なのにというか、だからこその
バイリンガル環境、なんだかちょっと羨ましいですね。


運転手さん、右に折れてソンテオを停車させました。

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昨日は通過したビューポイントではないですか。

「時間があるから寄り道して行こう」

ありがとうございます!
時刻は、08:11。

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一番先端の展望台に来てみました。

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見えるのは山ばかりですね。
ワチラロンコン・ダムも見えるようなんですが、
ガスが若干かかっていて発見できませんでした。

頭上にはトンビのような鳥がぐるぐる回って飛んでいます。

10_15

5分ほど景色を眺めてから、再び山道を下り始めました。


<旅費交通費>
ソンテオ運賃まだなので:0バーツ
ここまでの合計:1,139バーツ

<参考>
ceediz.com "หมู่บ้านอีต่อง กาญจนบุรี"
ceediz.com "เหมืองปิล๊อก กาญจนบุรี"

※旅は2017年3月27日(月)~28日(火)に行いました。


元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)

つづく

イートン

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