パークナムの船着場からわざわざ20分歩いてやってきたここは、

海軍博物館

だったりします。


入館料無料だそうなので、早速入ってみましょう!

門を通ると門番の兵士さんが、
「バット・プラチャーチョン」(身分証明証)と。

外国人なのでパスポートでいいですか?

「なら、結構です。どうぞ」

そ、そんなもんなんですか?(汗)


入るとすぐに飛行機がドーンと。


ラーチャナーウィー


機体には、「ラーチャナーウィー」と名称があります。


飛行機の横を過ぎると、本館の真正面に
不思議なかたちのものが展示されていました。


「マッチャーヌ」


なんだと思いますか、これ?


実は、潜水艦「マッチャーヌ」の艦橋部分なのです。

この潜水艦は、なんと、戦前の日本製!!


そうです。またもや出合いました。
日本の面影に!


タイから発注を受けて、1937(昭和12)年に三菱重工業神戸造船所で建造された、
潜水艦4隻のうちの1号艦が「マッチャーヌ」です。

翌38年、3週間あまりかけて神戸からバンコクまで航行し、
7月から実配備されたんだそうです。


潜水艦「マッチャーヌ」


とくに実戦で活躍することはなかったようですね。

戦後は、敗戦国日本の兵器製造が禁止されたため、
修理部品が入手できなくなり、さらに海軍がクーデターを企てた
いわゆる「マンハッタン号事件」失敗の影響もあって、
事件同年の1951(昭和26)年11月に他の3隻とともに退役したのです。


潜水艦「マッチャーヌ」


退役後しばらくは、シリラート病院近くのチャオプラヤー川に
4隻とも係留されていましたが、サイアムセメント社に売却され
鉄屑として処分されてしまったのだとか。

で、残ったのが、
1号艦「マッチャーヌ」のこの艦橋部分など一部のみ。


海軍が引き取って、こうやって海軍博物館で展示されることになったのです。


しかし、どこにも案内板が無いんですよね。
ただ艦橋部分が展示されているだけ。
知らないで訪れた人は、これが何なのか知らずに終わってしまいますよ・・・。


デッキ部に登ってみました。
足元は、残念ながらコンクリートでの復元ですね。


潜水艦「マッチャーヌ」


でも、この機銃は、元のままです。


たとえ一部分だけでも、軍艦メークローン号とともに、
こうやって残されているのは嬉しいですよね。


<参考文献>
『タイ国情報』第42巻第5~6号、日本タイ協会、2008年
 



<交通費>
歩いただけなので:0バーツ
ここまでの合計:71.5バーツ


※旅は2009年7月22日(水)に行いました。


つづく



海軍博物館