タイ~バンコク周辺バス日帰り旅~

タイ・バンコクや近県をバス、ソンテオなどの公共交通機関だけで日帰り旅をした様子を綴る旅行記です。
タイ料理屋台から水上マーケット、百年市場、日本の残した足跡まで無鉄砲に飛び回っています。 ※楽天ブログ『タイとタイ語に魅せられて』の1日旅の記事だけを抜粋しました。

国柱廟

ラーチャブリー県柱廟 ラーチャブリーと水瓶の旅[最終回]

ラマ2世期に築かれたラーチャブリー城壁をこの目で見られて
満足した私は、城門を通った道をさらに北へと歩いて行きます。

09_01

奥に見えてきましたよ。
さらに歩くと、

09_02

ラーチャブリー県柱廟です。

県柱ラックムアン)とは、かつてムアン(大抵が城壁で囲まれた町)を
新たに建設する際、まずその中心や縁起の良い場所に建てた柱のことです。

バラモン教の影響ですが、家を建てる時にまず柱を建てることに倣った
風習のようですね。

ここの県柱は、ラマ2世がラーチャブリーの町を対岸から移転させた際の
1817年に建てられました。それから城壁や町を整備したのだそうで。


かつてのムアンが現在では各県の中心部になっていることが多いことから
「県柱」と訳しましたが、県になれず他の県に組み込まれたムアンにも
ラックムアンが残っているところがあります。
そのため例えばプーケット県には4つもラックムアンがあったり。

09_03

軍の敷地内なので商業施設はお供え物の売店以外皆無にもかかわらず
人がひっきりなしにやって来ます。それだけご利益があって
信仰されている
存在ということなんですね。

内部を覗きましょう。

09_04

県柱(ラックムアン)が金箔をびっしり貼られた姿で
建っています。

県柱というと、柱の下に人柱が埋まっているという話を聞きますよね。
確かにいくつかの県の県柱にはそのような伝承が言い伝えられています。

バンコク都のラックムアンにも4人の男性が生き埋めにされたという話を
聞いたことのある方も多いかもしれませんね。

バンコクはラマ1世期(1782年)とラマ4世期(1852年)の
2本のラックムアンがあり、いずれの際も儀式の詳細な手順を記した文書が
残されていますが、そこには四方から集めた石と護符石版を穴に入れてから
柱を建てたとしか記述がないんです。

他の県のものも人を埋めた公式記録が残っているところはありません。
プーケット県史に妊婦を埋めたとの伝承が記載されてはいますが。
単なる言い伝えだけであってほしいものですね ^_^;)


そもそもラックムアンを建てる風習はいつからタイにあったんでしょう?
ちょこっと調べてみました。

13世紀のスコータイ朝時代から続く風習との記述を見かけます。
でもバラモン教自体は当時すでに伝わっていたものの、
ラックムアンに関しては書物でも物的な面でも明確な証拠はないようです。


国内最古とされているペッチャブーン県のラックムアンは、石碑。

1021年にクメール文字で記されたサンスクリット語の
「シヴァ神を讃える内容」と、
1516年にクメール文字で記された
タイ・パーリ・クメール語の「仏教に関する内容」
という2つの時代に
文字が刻まれているのですが、元々は県内のお寺に建っていたもの。
それを1900年に移設してラックムアンとしたんです。


じゃあスコータイ県のラックムアンは?

かのスコータイ遺跡の中にあるんですが、ラマ6世期1907年の遺跡調査で
四方の柱に囲まれた遺跡中心の穴から不鮮明な模様が書かれた石版を発見。
ゆえにここにスコータイのラックムアンがあったと推定されたことから
現在、スコータイ県のラックムアンになっています。


うーん、それじゃアユタヤ県のラックムアンはどうだ!?

アユタヤ王朝年代記には初代王ラーマティボディー1世が1350年に
アユタヤを
建設したと記されていますが、ラックムアンを建てた
具体的な記述はありません。


1767年にビルマの攻撃で陥落後ずっとアユタヤにラックムアンは無し。
1982年になってラタナコーシン朝創始200年記念行事として
現在のラックムアンが建てられたのです。


ここまで見た限りでは、現チャックリー朝(ラタナコーシン朝)が始まった
18世紀後半以降に建てられたものばかりなんですよ。
でも全ての県のラックムアンを調べたわけではないですし、
証拠がないだけでスコータイ朝時代から本当にラックムアンの風習が
あったのかもしれませんよね。


さてさて、そんなラックムアンの参拝を済ませたので、
また対岸に戻りましょう~。

09_05

近くには軍の詰所が。
สห というのは「憲兵」の略称。
おぉ、なんだか怖いのでさっさと去ることにします ^_^;)

西側に出て国鉄線路に沿った道をメークローン川へ向けて歩いていると、
左手に

09_06

わかりますでしょうか?
新しい壁の裏側にぴったり張り付いてレンガの壁が続いているのが。

これ、さっき見た城壁の続きなんです。
で、ここで終わっています。西端ってことですね。

この先はというと、

09_07

道を挟んだ向かいに国鉄南線の盛り土が。
今見た城壁は南側城壁で、西側城壁はあの盛り土の場所にあったのでは?
ラマ5世期の国鉄線路建設で取り壊されたんだと思います。

09_08

で、そのラマ5世のお名前が冠されたチュラロンコン橋を再び渡り対岸へ。
見どころは見尽くしたので帰ることにしまーす。

最初の歩道橋を渡ったその下にバンコク行きロッ・トゥー乗り場が
あるんです。他にメークローン川沿いのラーチャブリー国立博物館近くにも
ありますが、こっちの業者が私は一番好き。

09_09

お姉さんからチケットを購入して待ちます。
すると何分と経たずに

09_10

ロッ・トゥーが現れました。
なんとラッキーな!

時刻は、13:12。

車内で爆睡しているうちに1時間ほどでバンコクの南バスターミナル前を
高架道路で通過。でも2016年10月25日から乗り場が強制移転になった今、
このロッ・トゥー路線も南バスターミナルが終点なんでしょうけど…。

この時はまだ移転前だったので、

09_11

戦勝記念塔近くのセンチュリーに戻ってきました。
時刻は、15:14。

これにて今回の旅も完結です。

水瓶ケーキ(ケーク・オーン)を食べることが目的だった今回の旅ですが、
歩いて見聞きしているうちに予想外にディープな旅になっていました(笑)
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

次回は、バンコクの西はずれにあるミュージアムを
訪ねる旅をお届けします!




<旅費交通費>
ロッ・トゥー:100バーツ
ここまでの合計:210バーツ

<参考>
『タイ事典 』,日本タイ学会,めこん,2009年
เที่ยวราชบุรี.com "ศาลเจ้าพ่อหลักเมืองราชบุรี"
สารคดี "พิธีฝังคนทั้งเป็นในหลุมหลักเมือง"
MGR Online "ศาลหลักเมือง” ความศักดิ์สิทธิ์ในความแตกต่าง"
เรื่องเล่าชาวเมืองสยาม "เรื่องเล่าเสาหลักเมือง"
ペッチャブーン県文化評議会議長ウィソン氏facebook "เสาหลักเมืองเพชรบูรณ์ ศรัทธาและคุณค่าทางประวัติศาสตร์ !!"

※旅は2016年5月28日(土)に行いました。

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


おわり

県柱廟

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チョンクラジョック山は猿がいっぱい アーウマナーウ~空軍基地内のビーチへ![14]

サル山のチョンクラジョック(クラチョック山)を
黙々と登って行きます。


14_01


全部で396段かあ。
どれぐらい登ったんだろう -_-;)

上へ行くに従ってサルも増えてきたし。


14_02


先を行くお坊さんもサルに囲まれています…。

お、もうすぐ頂上だ!
思ったより短かったな。


14_03


というわけでチョンクラジョック山頂に到着。
時刻は、09:33。
登り始めてたったの10分でした。

なんだかごちゃごちゃしていますね。
この中にプミポン国王が植樹したという菩提樹も
きっとあるんでしょう。

見晴らしの良いあずま屋があったので、
座って一服。景色を眺めます。


14_04


うわー!

プラジュアップ湾全体から陸繋島のロームムアック山カオ・ロームムアック)、
その砂州部分にある空軍基地、さらにその向こうのアーウマナーウまでが
見事に一望できるじゃないですか!

こりゃ登った甲斐があったなー。

ホテル「ファーチョムクルーン」の部屋から持ってきた
ペットボトルの水を飲みながら、しばしこの雄大な眺めを堪能しました。


さらに北側の景色を見ようと北が開けた場所へ移動して
カメラを構えると…


14_05


サルがものともせずに悠然と横切りやがりました(笑)
慌てて手が写りこんじゃったじゃないですか!

ちなみにこちらがアーウノーイノーイ湾)ですね。
ビーチがあるようですが、泳げるのかなあ。


この後、1匹のサルが突進して威嚇してきたものだから、
しばらくにらみ合って対峙したりもしたんで、
長居は無用ということで下山しましょう ^_^;)


14_06


うーん、晴れていればもっと綺麗な景色だったんでしょうね。
残念!


14_07


下りながらサルを観察すると、石で何かを一生懸命叩いているサルを
何匹も見かけたんですよ。これ2匹とも、そう。

木の実か貝でも割ろうとしているのかな?


14_08


登りの時よりもサルが増えたような…。
刺激しないようにソロリソロリと横を通り過ぎます。

そんなこんなで無事下山。
心配していた貸自転車も盗まれることなく元の場所にありました!


もう少し自転車でプラジュアップ市内を巡ってみますか。

次に訪れたのは、すぐ近くの


14_09


プラジュアップキリカン国柱廟

念のためグーグルマップで場所をお知らせしておきます。

クメール様式っぽい廟が立派ですね~。


14_10


来たからには私もいちおう手を合わせたのでした。


次は国鉄のプラジュアップキリカン駅にでも行ってみるかな。




<旅費交通費>
歩き&自転車だけなので:0バーツ
ここまでの合計:1,923バーツ

※旅は2016年5月24日(火)~25日(水)に行いました。

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく

ファーチョムクルーン

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