モーチット・バスターミナルから乗ったロッ・トゥーで
プラチンブリー県市街地にあるチャオプラヤー・アパイプーベート病院
到着しました。

場所はここ(グーグルマップ)。

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敷地正面にはその名のとおり病院本館が建っています。

でもまず目指すは、敷地右端の方にある

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あの建物、アパイプーベート・タイ式医療ミュージアムです。

アパイプーベート」ブランドのロゴイラストにもなっているので
見覚えのある方もいるのでは?

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入口で靴を脱いで裸足で入りますよー。
入館料は無料です。
時刻は14:01。

建物は2階建てで1階には3部屋あります。
まず左端の部屋は、

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このお方の経歴の展示室。
チャオプラヤー・アパイプーベートその人です。

チャオプラヤーとは爵位の最高位なので、
訳すと公爵ですかね? ここではそうしておきましょう。

つまり「アパイプーベート公爵」(1851-1922年)の経歴が
展示されているのです。

このお方、元タイ領で現在はカンボジア領になっている
バッタンバン、シェムリアップ、シーソーポンの知事を
父から継ぎ務めていました。生まれもバッタンバンです。

ところが1907年、タイがフランスにその3地域を
割譲させられてしまいます。


アパイプーベート公爵は、自分はラマ5世のもとで官僚職を
務めてきたという信念で、
フランスからのバッタンバン知事を
引き続き務めて欲しいという要請を断ります。

雨季で道路の悪い中をゾウと牛の引く牛車でプラチンブリーまで疎開し、
普通の公務員として人生の再出発をしたのでした。

たださすがに財産は相当蓄えていたようで、
この地で学校、病院、寺院の建設に資金を寄付しています。

またアパイプーベート公爵はタイ・ハーブ「サムンプライ」を用いた
手料理が得意で、ラマ5世がプラチンブリーへ行幸された際には
自らの手料理でもてなされたそうです。

で、その時アパイプーベート公爵は、ラマ5世がまたいらした際のために
迎賓館の必要性を感じ、建てたのがこの建物なのです。
1909年のことです。

ラマ5世は残念ながら再びプラチンブリーを訪れることなく崩御。
でも次のラマ6世が1912年に行幸した際に使用されました。

1922年のアパイプーベート公爵の死後、遺産を相続した息子が
この建物を王族に寄贈。紆余曲折を経たのち、最終的には
病院用にと政府に寄贈されます。

それで1941年6月に病院としてスタート。

当初はプラチンブリー病院という名称でしたが、
この建物が最初の病棟だったこともあって、
1966年6月にチャオプラヤー・アパイプーベート病院に改称されました。

その後1989年に建物が修復され、
ミュージアムとして使用されるようになったというわけです。

ちなみに建築様式は、

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今なおバッタンバンに残る旧アパイプーベート公爵公邸
そっくりのデザインとなっています。

この建物の落成後たった1年でアパイプーベート公爵
バッタンバンを去らざるを得なかったので、
名残惜しいお気持ちがあったんでしょうね。


次の中央の部屋では、

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何やらセミナーの真っ最中でした ^_^;)


右端の部屋は、

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サムンプライの調剤薬局になっているようです。

説明を読むと、今までの検査結果を提出して登録し、カードを作って…
と面倒な手続きをしないと利用できないみたいです。

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薬草だけかと思いきや、貝がらやカメの甲羅、
さらにはヘビまで瓶詰になっていて見ているだけでも楽しめますね。

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調剤カウンターで販売している商品は買えるようで。
なんか目ぼしいものはないかな。

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なんだこの黒っぽい液体の入った袋は?

「ビタミンCが豊富なんです」
と薬剤師のお姉さん。

苦いんですか?

「酸っぱいです」

へ~、一つ買ってみるか。
15バーツ也。

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次は階段で2階へ。

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レトロな雰囲気の廊下がいいですね。

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右端の部屋は、サムンプライの処方・効能などを記した古い書物などが
展示されています。

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うおぉ、ヘビだ。
でもカンボジア語なのでまったく解読不能。

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これ、壁のポスターには、

伝統処方は、薬の処方だけではありません。
入れ墨もあります。

目的は、
不死身の戦士となる。
愛される呪文
疫病予防
女性を口説く。女性をゾッコンにさせる。
妻に焼きもちを焼かせない。
家への泥棒侵入防止。
などなど…


と書いてあります。
ヲイヲイ ^_^;)

それよりも私は下に置かれた竜柄の水瓶に狂喜。
ラーチャブリー産水瓶に違いありません!
こんなところで出会えるとは。


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隣の部屋にも昔薬を作る際に使った道具がいくつか展示されていて、
これはアユタヤ~ラタナコーシン朝初期の薬をすり潰す道具とのこと。

さらに奥の部屋ではそこでもセミナーをやってました。

…とまあ、こんな感じでひととおり見終えました。


そうそう、さっき買った黒っぽい液体ですが、
宿に帰ってから飲んでみたんです。

口に含んですぐは、煎じた漢方薬のようなモワーっとした苦味を
感じましたが、その後時間差攻撃で身震いするほどの強烈な
酸っぱさが襲ってきました。

身体には、たしかに良さそうではありましたけどね(笑)

袋には「ビタミンC豊富、抗活性酸素物質含有、
風邪・アレルギー・咳・痰防止、弱めの便秘薬」
と書かれていました。


さて、次はさらに病院敷地内を散策してみましょう。


<旅費交通費>
歩いただけなので:0バーツ
ここまでの合計:140バーツ

<参考>
アパイプーベート・タイ式医療ミュージアム館内の説明
Wikipedia "เจ้าพระยาอภัยภูเบศร (ชุ่ม อภัยวงศ์)"
อภัยภูเบศร "ประวัติตึกเจ้าพระยา"

※旅は2017年3月23日(木)に行いました。

元記事(楽天ブログ タイとタイ語に魅せられて)


つづく

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